「1人1台タブレット環境」も見据える
“使われない電子黒板”をなくすには「常設化」しかない――青山学院初等部 井村教諭(2/3 ページ)
電子黒板選定にも「タブレット1人1台環境」を見据える
青山学院初等部が選んだ電子黒板は、パイオニアVCの「xSync Board」。xSync Boardにはさまざまなモデルがあるが、同校が選んだのは70インチの液晶ディスプレイを備えたタッチディスプレイ型のモデルだ。
電子黒板には一般的にタッチディスプレイ型の他、プロジェクターに電子黒板機能を内蔵した「プロジェクター一体型」、プロジェクターと小型装置を組み合わせて、ホワイトボードや黒板を電子黒板として利用可能にする「ユニット型」がある。xSync Boardのラインアップにもプロジェクターを活用するモデルがあるし、他社製品も充実している。
なぜ青山学院初等部はタッチディスプレイ型電子黒板を選んだのか。「実は当校は、選定当初からプロジェクターを使う電子黒板は選択肢に入れていなかった」と井村教諭は明かす。その理由は2つ。画面の見えにくさと、通常の黒板との使い分けのしにくさだ。
青山学院初等部は全教室に汎用(はんよう)のプロジェクターを設置している。だが光量の関係で写りが悪く、以前から映像が見えにくいと感じていたという。最近のプロジェクターは明るさや解像度を高めて映像を見やすくする工夫を凝らすが、それでも見やすさはタッチディスプレイ型電子黒板にはかなわない。
従来の黒板と電子黒板は分けて使う考えを重要視したことも、タッチディスプレイ型電子黒板の採用を後押しした。「従来の黒板は授業全体の流れを見せるもの、電子黒板はデジタルコンテンツを見せるもの、と役割が異なると考えている」と井村教諭は語る。プロジェクターを利用する電子黒板の場合、黒板に下ろしたスクリーン、または直接黒板に映像を投影することが多いので、映像が黒板の大半を専有することになる。タッチディスプレイ型電子黒板であれば、黒板とは独立して利用できる。
分かりやすさを評価しxSync Boardを選定
タッチディスプレイ型電子黒板の中からxSync Boardを選んだ理由について井村教諭は、電子黒板の正面横にある物理スイッチ群「イージーコントローラー」の存在を挙げる。イージーコントローラーは、文字の書き込みや拡大といった操作に応じた物理スイッチを用意。電子黒板の画面でWindowsを操作したりソフトウェアを立ち上げたりすることなく、直感的な操作を可能にする。特にITが不得手な教員の間で「分かりやすい」と評価が高かったという。
青山学院初等部は1人1台のタブレット環境をゴールに据えていることから、xSync Boardが持つタブレットとの連係機能も評価した。タブレットの画面を電子黒板へ転送し、比較・拡大表示といった操作がスムーズにでき、「児童間の意見交換もしやすい」と井村教諭は語る。
井村教諭は、xSync Boardにはおおむね満足しているものの、気になる点も幾つかあると話す。その1つが、本体を支えるスタンドの脚部の大きさだ。xSync Boardに限った話ではないが、タッチディスプレイ型電子黒板では大画面を支えるために、脚部はある程度大きくならざるを得ない。とはいえ設置スペースに余裕がないと、児童や教員が教室内を移動する際に邪魔になってしまう。また機能面では、「実物投影機をはじめとする周辺機器と無線経由で連係しやすくなれば」と同教諭は語り、今後の改善に期待する。
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