知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策【第4回】
不正競争防止法の「営業秘密」として守られるための“3大条件”とは?(2/3 ページ)
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知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策
営業秘密の定義
不正競争防止法は、営業秘密を次の3つの要件で定義している(第2条第6項)。この3要件の「全て」を満たすことが、法的保護を受けるために必要となる。
- 秘密として管理されている情報(秘密管理性)
- 生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報(有用性)
- 公然と知られていない情報(非公知性)
なお営業秘密に該当することは必ずしも、差し止め請求などの民事上・刑事上の措置の対象となるわけではない。また営業秘密に該当しなくても、保護できるケースもあることに留意が必要だ(図2)。
秘密管理性
秘密管理性の要件を満たすためには、
- 企業が特定の情報を秘密として管理しようとする意思を、具体的状況に応じた経済合理的な「秘密管理措置」によって従業員に明確に示すこと
- 従業員が当該意思を容易に認識できること
の2点が必要だ。
秘密管理措置は、営業秘密とその他の情報との「合理的区分」と、当該対象情報の「営業秘密であることの明確化」で構成される。
合理的区分とは、情報の性質、選択された媒体、機密性の高低、情報量などに応じて、営業秘密を一般情報から合理的に区分することをいう。紙の1枚ごと、電子ファイル1件ごとに営業秘密であることを明確にしてもよいが、必ずしもその必要はない。紙媒体を格納するファイルやキャビネット、電子ファイルを格納するフォルダなどが営業秘密を含むか否か、従業員が容易に判別できればよい。
秘密管理措置の具体的な内容や程度は当然ながら、当該営業秘密に接する従業員の多寡、企業の業態、従業員の職務、情報の性質、執務室の状況などによって異なる。秘密管理措置の多様性を示す参考裁判例として、大阪地方裁判所2003年2月27日判決がある。原告は、データへのアクセス制限や秘密であることの表示などはしていなかったものの、大阪地裁は以下のような判断から秘密管理性を肯定した。
原告は(中略)従業員総数10名の小企業であり、情報管理の程度や態様を大規模企業と同様に厳格に要求するのは現実的ではなく(中略)一応相当の情報管理さえされていれば、秘密管理性の要件は充足されるといえる
もちろん、上記の参考裁判例で肯定された秘密管理性は、他の企業に広く適用されるものではない。指針では、合理的区分をした上での典型的な秘密管理措置として、以下の通り紹介している。
- 紙媒体
- 当該文書に「マル秘」など秘密であることを表示
- 個別の文書やファイルに秘密表示をする代わりに、施錠可能なキャビネットや金庫などに保管
- 電子媒体
- 記録媒体もしくは当該媒体の格納ケースなどへのマル秘表示の張り付け
- 電子ファイル名やフォルダ名へのマル秘の付記
- 当該電子ファイルを開いた際に画面に表示されるよう、ファイルのヘッダにマル秘を付記
- 営業秘密たる電子ファイルそのもの、または当該ファイルを含むフォルダの閲覧に要するパスワードの設定
いずれも特別な製品/サービスに依存せず、人手の運用のみでも実現可能だ。だが管理対象が多量で、従業員に高い運用負荷が生じることが懸念されるケースもあるだろう。その場合は、文書管理製品やDRM(デジタル著作権管理)製品、IRM(Information Rights Management)製品といった知的財産の権利管理製品を導入し、マル秘の付記やパスワードの設定などについて情報システムによる支援をすることが望ましい。
具体的には、次のような支援が可能だ。
- 当該電子ファイルを開いた際に画面に表示されるよう、ファイルのヘッダにマル秘を付記
- 特定条件に該当した電子ファイル(ファイル名に特定文字列を含むファイル、特定のフォルダに格納されたファイルなど)に、マル秘の表示を自動付与(印刷時にも反映)
- 営業秘密たる電子ファイルそのもの、または当該ファイルを含むフォルダの閲覧に要するパスワードの設定
- 特定条件に該当した電子ファイルやフォルダの閲覧時にパスワードを自動的に要求
こうした製品の中には、ここで触れた秘密管理措置を超えるセキュリティレベルを実現できるものも多いが、本稿では解説を割愛する。
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知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策
セキュリティ関連の法制度の趣旨に基づき、実現すべきセキュリティ対策はどのようなものか。マイナンバー、個人情報全般、その他の機密性の高い情報について、セキュリティ対策の勘所を示す。
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