知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策【第1回】
“マイナンバー対応”と騒ぐ前に理解すべき「セキュリティ法制度」(1/2 ページ)
「マイナンバー制度」「個人情報保護法」など、セキュリティ関連の法制度にどう向き合い、どう対策を進めるべきか。具体的な対策を考える前に、法制度とは何かをあらためて整理する。
情報処理技術の発展やセキュリティインシデントの複雑化・深刻化など、セキュリティを取り巻く状況は急激に変化している。このような動向を受け、セキュリティ関連の法令や制度、それらに関するガイドラインなど(以下、法制度)があらためて注目を集めたり、見直されたりしている。
セキュリティに限った話ではないが、法令の要求事項は当然順守すべきだ。また、当局が公開するガイドラインについても、企業をはじめとする組織はそれらの適用状況について説明責任を負うべきである。
組織が法制度に適合するには、システムの企画や運用などに従事するIT担当者も、法制度の意図やその内容を踏まえておくべきだ。だが実情としては、法制度に習熟したIT担当者は少ないようである。
そこで本連載では、IT担当者が理解しておくべきセキュリティ関連の法制度について、条文そのものの緻密な逐条解説ではなく、それらの意義や具体的な対策例について平易に解説する。
セキュリティ関連の法制度は枚挙にいとまがない。そこで、最近特に注目を集めている「社会保障・税番号(マイナンバー)」や個人情報全般、そしてしばしば産業スパイなどに狙われる、その他の機密性の高い情報について、それらの保護に関わる法制度を取り上げる。
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まず「法制度」から理解する
特に製品/技術に関心のあるIT担当者においては、「自分の業務は法制度とはあまり関係がない」「興味が持てない」など、法制度から距離を置いた姿勢がしばしば見受けられる。この要因としては、理系分野・文系分野といった実務上は意味を持たない縦割意識がまん延していることも挙げられるが、そもそも法制度の重要性があまり意識されていないことも少なからず影響しているようである。そこで、セキュリティに関わる法制度の解説に先んじて、まずは法制度そのものの重要性について平易に解説する。
法制度は大ざっぱにいえば、世の中で通用する共通見解であり、複数の利害関係者における争議の防止や解消のための「べき・べからず」や手順などを示したものである。法制度というと裁判や責任追及といった争議を連想されることも多いようだが、実務においては、こうした争議そのものを防止することも法制度の重要な意義となっている。
適切な法制度は適法な行為を促進し、かつ違法な行為を抑制する。そのことが、社会をより安定・円滑なものにするのに役立っている。例えば、あなたの勤務先が法制度を順守した状態であることによって、他の組織や個人の権利を誤って侵害し、後に訴えられるといったケースを避けることができる。
こうした恩恵は、意識しているか否かにかかわらず、社会を構成する組織や個人が例外なく享受している。法制度というと「自分たちを縛る窮屈なもの」「面倒くさいもの」というイメージを持っている人も多いだろう。だが実際にはその逆で、「自分たちを支えるもの」「自分たちを守るもの」という側面の方がずっと強い。
あなたの勤務先が、他者の権利に対して過度に委縮することなく円滑に事業を遂行できるのも、あなた自身の権利が他者による侵害から守られ、安心・安全に暮らせるのも、どちらも法制度によるところが大きい。例えば、法制度がなければ、あなたの所有物を他人が奪い取ることの是非ですら争議の対象になってしまう。こうしたことを考えると、法制度について肯定的なイメージがより持ちやすくなるのではないだろうか。
セキュリティの分野も決して例外ではない。例えば「個人情報保護法」は、あなたの勤務先に対して個人情報の安全かつ適切な取り扱いを促す。このことにより、個人情報という情報資産に関わる価値や権利が、漏えいや喪失などによって毀損・侵害されることを抑制している。
結果として個人情報保護法は、顧客との無用な争議の回避に役立っており、さらに従業員や株主にとっての安心・安全にも役立っているといえる。もちろん、同法はあなたの勤務先以外にも適用されており、あなた自身の情報が、あなたが利用するサービスなどにおいて安全かつ適切に取り扱われることにも貢献している。
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知って納得、「セキュリティ法制度対応」の具体策
セキュリティ関連の法制度の趣旨に基づき、実現すべきセキュリティ対策はどのようなものか。マイナンバー、個人情報全般、その他の機密性の高い情報について、セキュリティ対策の勘所を示す。
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