手間が掛かるアプリケーションテスト
「Windows 10」移行で発生する“ありがちな悲劇”、非対応アプリに悩まないためには?
Microsoftは企業によるWindows 10への移行を支援すべく、対応アプリの一覧を記したWebサイト「Ready for Windows」を開設した。非対応アプリはどうするべきなのだろうか。
Microsoftが提供するWebサイト「Ready for Windows」は、完璧ではないが、使用中のアプリケーションが最新OS「Windows 10」に対応しているかを確認したい企業にとって有用なものとなりそうだ。
アプリケーションの互換性の問題は、企業が新OSに移行する際に直面する最大の難題の1つだ。この負担を少しでも軽減すべく、Microsoftは2016年6月、Ready for WindowsというWebサイトを開設した。サードパーティーアプリケーションがWindows 10に対応しているかを確認するためのWebサイトだ。ただし、同サイトに掲載してもらうには、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)が自ら申し出る必要がある。そのため、同サイトの一覧はWindows 10対応アプリケーションの完全なリストではない。
「それでも、非常に便利なWebサイトになるだろう」と指摘するのは、医療技術事業者MillarのIT管理者であるスティーブン・パワーズ氏だ。「多くの企業は新OSに移行する前にアプリケーションをテストする。私たちもそうした確認を前もってできていれば、非常に助かったはずだ」と同氏は語る。
MillarはWindows 10の早期導入企業であり、既にユーザーベースのほぼ全体にWindows 10を展開している。この移行に先立ち、同社は幾つかのアプリケーションをテストする必要があった。「このReady for Windowsがあれば、時間を節約できていただろう」とパワーズ氏は語る。
「企業やISVは、Windows 10の準備を整えるべき重要な時期を迎えている」。そう指摘するのは、調査会社Moor Insights and Strategyのパトリック・ムーアヘッド社長だ。
ISVにとっても好機
ムーアヘッド氏によれば、現在多くのISVがWindows 10への移行を進めており、向こう10~18カ月以内にWindows 10を導入しない企業顧客は、古いOSのセキュリティとサポート面のリスクを負うことになりかねないという。「ISVがいつまでもWindows 10をサポートしないようなら、他のISVへの切り替えを検討すべきだ」と同氏は語る。
ソフトウェア開発会社Agilineのエマニュエル・マシュー社長によれば、Ready for WindowsのメリットはISVにも及ぶという。ISVにとっては、アプリケーションの宣伝になるからだ。
「今の時代、宣伝になる機能は何であれ活用すべきだ」とパワーズ氏は語る。
Microsoftによれば、Ready for Windowsに自社のアプリケーションを掲載したいISVは、オンラインで簡単な申し込みフォームに記入する必要がある。一覧に追加される場合は、Microsoftから5営業日以内に通知があるという。
アプリケーションがWindows 10非対応の場合
Agilineのマシュー氏によれば、大きな企業はとりわけ、OSの移行に苦労する可能性が高い。そのため、全てをテストするまではアップグレードに慎重なIT管理者が多いという。「アプリケーションの互換性をもっと簡単に確認できるようになれば、非常に助かる」と同氏は語る。
Windows 10でサポートされない古いアプリケーションを使用している企業の場合、他のアプリケーションに切り替えるつもりがないのであれば、次善策を探すことになる。その1つに、仮想デスクトップインフラ(VDI)を使用するという方法がある。VDIを使えば、古いOSを搭載するコンピュータのユーザーにも、Windowsデスクトップとアプリケーションを配布できる。実際、主要な仮想化ベンダーの多くは、Windowsの新版がリリースされる度にVDIの採用が増加すると報告している。
Microsoftによれば、Windows 10は歴代Windowsの中で最も速いペースで導入が進んでいるという。2016年5月の時点で、Windows 10を搭載するアクティブデバイスは3億台を超えており、法人におけるWindows 10の稼働台数は1月時点で2200万台に達している。
多くのIT管理者は既に社内でWindows 10を実行しているか、あるいは社内のワークステーションにWindows 10を展開する計画の下、テスト段階に入っている。
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