なぜ今「ネットワーク分離」なのか【第2回】
ネットワーク分離で困る人が続出する「ファイル受け渡し問題」を解決するには?(1/3 ページ)
ネットワーク分離は有力なセキュリティ対策ではあるものの、導入や運用に掛かる負担をどう軽減するか、従業員の利便性をどう確保するかが悩みどころだ。その解決策を探る。
企業や組織にとって、インターネットの活用による利便性向上は、それと引き換えに情報セキュリティリスクの増大という重要な課題をもたらした。巧妙化・複雑化するインターネットの脅威への対策と、利便性の維持。トレードオフの関係にある両者のバランスを保つことは、あらゆる企業、組織にとって永遠の課題だといえるだろう。
連載第1回「古くて新しい『ネットワーク分離』が“要注目技術”に返り咲いた理由」で紹介した「ネットワーク分離」という情報セキュリティ対策は、企業や組織のシステムやネットワークを強靭(きょうじん)化できる有効な手段だ。ただし他のセキュリティ対策と同様、ネットワーク分離の採用によって、管理者の管理負荷が増大したり、現状のシステムで従業員が得ている利便性を少なからず損なったりする可能性は否定できない。
幸いなことに、企業がネットワーク分離のセキュリティ上のメリットを享受しながら、管理者の負荷軽減や従業員にとっての利便性維持につながる製品/技術が充実し始めた(図)。本稿では、その最新動向を整理する。
現実的なネットワーク分離を実現する「クライアント仮想化」
インターネットアクセス用のネットワークと、業務システム用のネットワークを物理的に分離しようとすると、それぞれのネットワークについてクライアントPCやプリンタを物理的に別々に用意する必要がある。こうした手法ではネットワークやシステムの規模が大きくなるにつれて、運用管理の負荷やコストが増大するのは明らかだ。
対して「デスクトップ仮想化」「アプリケーション仮想化」といったクライアント仮想化によるシンクライアントシステムを用いた仮想的なネットワーク分離では、1系統のネットワークに1人当たり1台の端末と、最寄りのプリンタ1台といった最小限のインフラを整備すればよい。物理的なネットワーク分離と比べて、運用管理コストの大幅な削減が期待できる。
クライアント仮想化では、サーバ側で仮想的なクライアント環境を起動・実行し、ネットワーク越しに接続された端末へ画面情報のみを転送する。そのため、たとえインターネットセグメントにあるサーバ側がマルウェアに感染したとしても、業務セグメントにある端末側には直接的な影響はない。
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なぜ今「ネットワーク分離」なのか
インターネットとLANを分離する「ネットワーク分離」が再び脚光を浴び始めた。その背景には何があるのか。実現の具体策は。徹底解説する。
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