先駆的5社が証明した「IIoT」の底力【後編】
GPS付きで賢くなった「インテリジェントケーブル」を3Mが開発、どう役立つのか?(1/3 ページ)
先駆的に産業用IoT(IIoT)に取り組む企業は、どのようなメリットを享受しているのか。後編では3MやBoschのグループ企業などが進めるIIoTの取り組みについて紹介する。
前編「IoTで普通のポンプが『スマートポンプ』に変身? 重電大手Schneiderが挑戦」では、IIoT(産業用モノのインターネット)に取り組む先駆的な5社のうち、重電製造の世界的大手であるSchneider Electricと、GE子会社のCurrentの事例を紹介した。後編では、残る3社の事例を紹介する。
Honeywell Process Solutions
大手制御機器製造Honeywell InternationalのビジネスユニットHoneywell Process Solutionsで新デジタルトランスフォーメーション事業部のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるアンドリュー・ハード氏は、次の重大な疑問を投げ掛ける。「なぜ製造業は、88%の効率でプラントを稼働させるのか」
「顧客は10~12%の確率でプラントの現場がダウンすることを容認しているが、必ずしもこうあるべきとは限らない」とハード氏は主張する。「設備で障害が発生した場合、起こったことを論理的に分析する方法がない状況があまりに多い」と同氏は指摘。それは十分なデータがなく、顧客が保有するデータが適切な人材によって分析されていないことに起因するという。
デジタルトランスフォーメーション事業部におけるハード氏の役割は、顧客が複数のデバイスやセンサーのデータを集約して分析し、そのデータをクラウド内で安全に保管できるようにすることだ。狙いは「チャンスが世界中に転在する中、顧客が製造プロセスを改善し、ダウンタイムを削減して柔軟性を保つことだ」とハード氏は語る。
Honeywellは各種ツールを用いて、製造業がダウンタイムに関する疑問を解消する手助けをしている。同社のエンジニアは、振動監視システムや分散型制御システムといった複数のシステムに導入したセンサーからデータを収集。同社のプロセスモデリングソフトウェア「UniSim Design Suite」を使用して、収集したデータを基にプロセスのモデルを構築する。
例えば、後にガソリン、ジェット燃料、石油化学原料の精製に利用できる微細な分子に炭化水素分子を分解する接触分解装置の、より効率的な方法を設計するエンジニアについて考えてみてほしい。新しいプロセスを設計したら、エンジニアはUniSim Design Suiteを使用して、そのプロセスをシミュレーションできる。そしてエンジニアは、オペレーターが新しいプロセスの管理方法を学ぶための訓練システムとしてUniSim Design Suiteを運用することが可能だ。さらに新たなプロセスを運用環境に導入した後には、Honeywellの可視化ソフトウェア「Intuition Executive」を利用して運用状況を監視できる。
IoTのアプローチにより、全てのセンサーが製品のライフサイクルを通じてフィードバックを返すようになる。その結果、顧客が石油の精製段階で、石油バレルの入手元、石油の精製時に起こったこと、精製後に石油が送られる先を把握できるようになる。「最終目標は、生産工程がよりスムーズになり、製品の破損や不純物の混入によって品質が落ちないようにすることだ」(ハード氏)
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