メリットだけでなくデメリットもしっかり確認
“IoT元年”に浮上したセキュリティリスク――知っておくべき3つの対策
IoTが広がり、日常生活だけでなく、ビジネスでも大きな影響を与えている。一方で、インターネットにデバイスを接続するリスクを認識しないと、取り返しがつかないことになるかもしれない。
現在、推定64億台のデバイスがインターネットに接続している。まさに2016年はIoTの年だといえる。こうした「IoT」(モノのインターネット)の広がりを受け、その機能は充実し、扱うデータ量が増え、あらゆる行動への洞察精度が高くなっている。IoTデバイスは、日常生活に関する多くの情報を提供するだけでなく、商工業分野におけるプロセスの改善や合理化にも貢献している。
だがIoTデバイスの増加により、サイバー攻撃のリスクも高まっている。こうしたデバイスの多くはこれまでインターネットに接続されることはなかった。そのため、ハッキングに対して脆弱(ぜいじゃく)であることが忘れがちだ。またIoTデバイスが大量に製造され、多様化していくと、あまり意識はされていないが、IoTデバイスをサポートする大量のアプリケーションが必要になる。その結果として、可能な限り迅速にIoTデバイスをサポートするアプリケーションを用意しなければならないという開発チームへのプレッシャーは、かつてないほど大きくなっている。
こうしたプレッシャーから、開発者チームは以前からのIT開発手法を変えざるを得なくなっている。以前ならばコードの脆弱性を検証してパッチを提供する時間が開発に組み込まれていた。だが現状はアプリケーションを開発と更新しながら、継続的にリリース・再リリースを繰り返す手法へと変わっている。その結果、セキュリティの潜在的な欠陥を監視し、テストする時間をとれなくなっている。この問題に対処するには、企業全体でセキュリティ対策に取り組む必要がある。つまり従業員自身とIoTデバイスを保護するため、最適な方法でツールを実装し、従業員をトレーニングしなければならない。
「ランタイムアプリケーションセルフプロテクション」(RASP)プログラムの実装
長い間、アプリケーションの保護は開発者が対応してきた。開発者はコードを作成しながら、テストを実行し、脆弱性を監視して、見つけた脆弱性に対するパッチを提供している。だが開発者の仕事が増え、そのうえハッカーが進化しているため、もっと効果的で踏み込んだレベルの保護が求められる。また開発者の仕事量を減らすことも必要だ。
こうした保護を可能にするのがアプリケーションレベルのセキュリティツールだ。このツールはアプリケーション内部に組み込まれ、リアルタイムで攻撃を認識してブロックする。そのため開発チームの手をほとんど煩わせることなくアプリケーションの安全性を確保できる。
新しいアプリケーションがネットワークに接続されるタイミングとその機能に注意
日々新しいIoTデバイスが加わるため、サーバやネットワークに接続される全てのデバイスを追跡するのは難しい。ビルの管理システムや企業内のアクティビティーを追跡するオフィス機器から、従業員個人のデバイス、社内の専用機器まで、全ての接続がハッカーの侵入口になり得る。ネットワークに接続するIoTデバイスは、機密度の高い情報を危険にさらす可能性があるだけでなく、ハッカーが適切なデバイスへのアクセス権を獲得した場合、実作業に支障が生じる場合もある。こうした危険を回避するために、企業は社内ネットワークに接続される全てのデバイスを監視し、ハッキングの危険性を従業員に教え込まなければならない。企業全体でセキュリティ戦略に取り組むことが、企業と従業員の両方へのメリットにつながる。
インターネットに製品をつなぐべきかどうかを把握する
興味深いテクノロジーが広がり始めたとき、最新かつ優秀なその技術を取り入れるのは簡単だ。室内を監視し状況に応じて温度や明るさを調整するようなインテリジェントシステムや従業員以外の人間が職場に侵入するのを防ぐカードキー施錠など、IoTデバイスは職場に付加価値をもたらす。だがそうではない製品もたくさんある。IoTデバイスの購入を検討する際、インターネットに接続するメリットよりも、そのデバイスに欠陥が生じたときに企業が発生するリスクを重視すべきだ。購入段階で入念に選択すれば、リスクを軽減できるだけでなく、不必要になるかもしれない高額な投資を防ぐこともできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー