「外の人」ではなく「中の人」になりたかった
私は“これで”コンサルタントをやめて企業のネットワーク技術者になりました
元ネットワーク設計コンサルタントがキャリアを大きく変えてベンダーから一般企業に転職し、念願だった仕事に就いた。どうやって転身に成功したのだろうか。
スネハ・プリ氏は、大手ベンダーのネットワーク設計コンサルタントという良い仕事に就いていた。だが、「社内エンジニアとしてエンドユーザーと協力し合い、専門技術者として成長したい」という願いから、一般企業に新天地を求めた。
プリ氏は、どのようにキャリア転換を進め、全米で事業を展開する建設会社のSuffolk Constructionにネットワークエンジニアとして就職できたのか。彼の経験談は、同じようなキャリアチェンジを考えているネットワーク担当者に貴重なアドバイスを提供してくれる。
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企業で一人前のネットワークエンジニアになるために必要なこと
――どのようにして企業のネットワークエンジニアになったのですか。
プリ氏 私はインドで電子工学および通信の学士を取得後、ニューヨーク州北部のロチェスター工科大学(RIT)に入学しました。RITの1年生を修了するまでに、Alcatel-Lucent(以下、Alcatel)でインターンとして働くことになりました。修士号を取得すると、Alcatelはすぐにネットワークエンジニアリングを担当する正社員として採用してくれました。
私はAlcatelで多くのシニアアーキテクトと働き、その過程でネットワーク設計の仕事が好きになりました。当時担当した顧客は、ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)、Verizon、Time Warner Cableなどです。
Alcatelは2014年に退職しました。一番大きな理由の1つは、変化を求めていたからです。設計コンサルタントとして働いていると、自分が担当したネットワークが実際のエンドユーザーにどんな影響を与えるのか、知る機会がありません。ネットワークで問題が発生したときに修正する機会もありません。ネットワークを設置するだけなのです。そして私は、「自分の手掛けるネットワークがエンドユーザーにどう影響するのか」をもっと理解したいのだと、はっきり自覚するようになりました。私がSuffolk Construction(以下、Suffolk)に転職したのはそのためです。
――設計コンサルタントから企業のネットワークエンジニアに転身した事情について説明してもらえますか。
プリ氏 Alcatel社内で異動したのですが、初めはとてもおっかなびっくりでした。私はネットワーク設計やネットワークエンジニアリング、ベンダーのことは知っていました。Alcatelについては、社内外両方の立場で知っていたわけです。でも、こうした分野以外のことは全く不案内でした。無線技術にはうとかったですし、顧客から、「ネットワークが動いていない」と言われたら、どう対応していいか分かりませんでした。これは非常に怖いことでした。
そこで私は、調べ物をたくさんして、Alcatelの多くの同僚に話を聞きました。UPMCの人々にも話を聞きましたが、それは彼らがユーザー企業の担当者だったからです。そして、どうしてそうする気になったのかよく覚えていないのですが、私は企業のネットワークエンジニアの職を求めて採用面接を受け始めました。
Cisco Systemsなどのベンダーからも何回か電話をもらったことを覚えています。でもそのときには、安全策に走らないようにしようと思っていました。あるベンダーから別のベンダーに移るのは簡単だったでしょう。でも、それでは外部者であることに変わりはありません。外部者であれば、エンドユーザーの目にさらされることはありませんし、エンドユーザーに知られることもありません。
私はそうした立場から脱却したかったのです。現場に身を置いて、「自分の仕事の成果がどのように利用されていて、どのような違いを生み出しているか」をじかに知りたいと思っていました。ユーザーがどんな問題に直面しているか分かれば、それに基づいて自分の設計を調整したり、変更したりできるだろうし、そうした積み重ねによって、ネットワークエンジニアとして成長していければと考えていました。
――企業のネットワークエンジニアとして、Suffolkでそうした経験ができていますか。自分が成長していると感じますか。
プリ氏 はい。大いにそう感じます。思いもよらなかった分野に触れたり、そうした分野を担当したりしています。素晴らしいマネジャー、素晴らしい同僚に恵まれていますし、そのおかげで多くを学ぶことができています。コンサルティングに携わっていたときとは異なり、ここでは多くの責任を担っていると思います。昔とは全く違います。
――企業のネットワークエンジニアに転身してから携わったプロジェクトについて、話してもらえますか。
プリ氏 Suffolkに入社して間もなく、私たちはコアネットワーク全体の再設計を行いました。マネジャーと私が使ってきた例えでいうと、これは、「身体から骨を取り出し、治してから元に戻して、今まで通り歩けるようにする」という手術です。私たちがある週末に実行したこのプロジェクトは、基本的にこのようなものでした。これは私が担当した最大のプロジェクトだと思います。現時点で私が最も誇りに思っているプロジェクトの1つです。
――そのプロジェクトの目的は何だったのですか。
プリ氏 Suffolkはそれまでの数年で、企業規模が大きく拡大していました。私が現在の私のチームとこのプロジェクトに取り掛かるときに、皆で共有した認識は、次のようなものでした。「会社の社員数と私たちの担当プロジェクトは、急激に増えている。10年後に、今予想されている規模へと会社を成長させるには、現時点でネットワークを作り直す必要がある」
私たちはこのプロジェクトで、ネットワークのセキュリティと冗長性を確保しなければなりませんでした。何かトラブルが発生しても、ビジネスに支障を来さないようにするためです。この目的のために、インターネット接続を維持し、業務サイトや建設サイトのリソースに引き続きアクセスできるようにする必要がありました。これは極めて重要なことです。
――企業のネットワークエンジニアに転身したいと考えている設計コンサルタントにアドバイスをいただけますか。
プリ氏 リスクを恐れないことです。簡単なことではありませんが、非常に大きな見返りがあります。やるべきことは多くなり、眠れない夜もあるでしょう。それでも、そのリスクを取ることが肝心だと思います。必ず報われます。
――ネットワークエンジニアのキャリアをスタートさせたばかりの人にアドバイスはありますか。
プリ氏 学習が必要です。昼も夜も、時間を有効に使って学習しなければなりません。担当するどのプロジェクトについても、関連する学習をそうやって並行して進めていきましょう。プロジェクトは職務経歴書に記入できるだけでなく、プロジェクトから多くを学べるからです。
質問すれば、先輩は喜んで答えてくれます。エンジニアは特にそうです。私たちエンジニアは教えることが好きで、他の人にあれこれ教えたがるのです。だから質問してみてください。「頭が悪そうに見えてしまうのでは」と思うかもしれませんが、大丈夫です。やがて必ず伸びていくからです。
また、この分野に初めて足を踏み入れるときは、認定資格が大きくモノを言います。今でも覚えていますが、私がインターンとして採用されたのは、「Cisco Certified Networking Associate(CCNA)」という認定資格を持っていたからでした。後でこう言われたのです。「職務経歴書からあなたを選んだ理由の1つは、他の応募者が持っていないCCNAを取得していたからだ」。ですから、新人には絶対お勧めです。
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