オープンソース技術が約束するストレージの変革【後編】
OSSベースのオブジェクト、ファイル、ブロックストレージを一挙に紹介(1/2 ページ)
OSS技術をベースとしたオブジェクトストレージ、ファイルストレージ、ブロックストレージから、主要なストレージを一挙に紹介する。
市場では、オブジェクト、ファイル、ブロックストレージの要件をカバーする幅広いオープンソース技術が提供されている。一部の製品は1つのプロトコルで動作するが、エミュレーションやプロトコルコネクターによって複数のプロトコルをサポートする製品もある。
前編「OSSストレージは良いことだらけ? 商用製品との違いは」に続き、後編ではオープンソース技術を活用したさまざまなストレージを紹介する。
オブジェクトストレージ
最も一般的なオープンソースストレージ製品は、オブジェクトストレージのカテゴリーに属するものだ。オブジェクトストレージは通常、コストを安く抑える必要があるアーカイブやバックアップデータの保存に使われる。
Ceph
「Ceph」は、2007年ごろに始まったオープンソースプロジェクトだ。セージ・ウェール氏の博士論文に基づいて開発された。ほとんどのオープンソースプロジェクトと同様にGitHubで公開されており、LGPL(Lesser GNU General Public License)version 2.1でライセンスされている。
Cephはスケールアウト型の分散オブジェクトストアであり、「RADOS(Reliable Autonomic Distributed Object Store)」とも呼ばれている。多数の物理または仮想ノードから構築されており、ストレージ、メタデータサービス、APIサービス、クラスタモニタリングを提供する。
オブジェクトに加えてブロックおよびファイルデータもサポートし、ブロックデータのサポートはRADOSブロックデバイスによって、ファイルデータのサポートはCeph FS(ファイルシステムゲートウェイ)を使って行われる。InktankがCephのサポートを提供していたが、Red Hatが2014年に同社を買収し、現在、Cephの商用版を販売している。商用版は、堅牢なエンタープライズレベルの実装が行われている。
OpenIO
フランス企業のOpenIOが手掛ける「OpenIO」は、電子メールやバックアップ、アーカイビングなど、さまざまなアプリケーションでの利用をサポートするスケールアウト型オブジェクトストアだ。OpenIOソフトウェアはLGPL version 3またはAffero General Public License version 3でライセンスされている。
OpenIOは2006年から開発されてきたが、オープンソース化されたのは2012年だ。大部分のオープンソースストレージ製品とは異なり、OpenIOはx86とARMの両方のプロセッサアーキテクチャをサポートしている。1つのクラスタ内に両方のアーキテクチャを混在させることもできる。
Minio
「Minio」は、Apache License version 2.0でライセンスされているオブジェクトストアサーバだ。このソフトウェアは軽量で、Dockerコンテナとして、Homebrewを使ってmacOS上で、あるいはWindows上またはLinux(x86、ARM)上で実行できる。商用サポートではなく、コミュニティーによるサポートに依存している。
S3 Server
「S3 Server」は、2016年にScalityによってDockerコンテナイメージとしてリリースされた。それ以来、60万回以上プルされている。ライセンスはApache 2.0を採用。軽量のシングルノードオブジェクトストアであり、Amazon S3(Amazon Web Services Simple Storage Service)API互換のオブジェクトストアへの簡単なアクセスを提供する。Scalityは、大規模な本番環境向けのオブジェクトストアの実装を求める顧客が、S3 Serverに代えて、商用サポートが提供されている同社の「Ring」製品に移行することを期待している。
Swift
「Swift」は、「OpenStack」のオブジェクトストレージコンポーネントだ。コモディティティサーバで実行できるスケールアウト型のノードベースオブジェクトストアを提供する。またSwiftは、データアクセスに使われるプロトコルでもあり、さまざまなオブジェクトストレージベンダーにサポートされている。SwiftStackが商用サポートを提供し、開発を主導している。
ファイルストレージ
Lustre
「Lustre」は、主にハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)で使われる並列ファイルシステムだ。GPL version 2でライセンスされており、非営利団体のOpen Scalable File Systems(OpenSFS)によって管理されている。Linuxに対応している。2017年5月まで、IntelがLustreのソフトウェアオンリーのデプロイについて商用サポートを提供していた。だが、このサポートは打ち切られたようだ。DataDirect Networksのような企業がハードウェアバンドルの一部としてサポートを提供している。
FreeNAS
「FreeNAS」は、10年以上の歴史を持つオープンソースストレージアプライアンスだ。そのソフトウェアは、スケーラビリティの高いオープンソースの「ZFS(Zettabyte File System)」をベースにしている。IXsystemsがハードウェアアプライアンス「TrueNAS」とともにFreeNASの商用サポートを提供している。
GlusterFS
「GlusterFS(Gluster File System)」は、Red Hatから商用ストレージプラットフォームとしても提供されているスケールアウト型ファイルシステムだ。Glusterが2011年にRed Hatに買収されるまで、開発とサポートを行っていた。GPL version 3でライセンスされている。
GlusterFSは、複数のサーバやノードのストレージリソースを集約し、単一の並列ファイルシステムを構築する仕組みだ。GlusterFSで使われるサーバは、ストレージプロバイダー(ストレージリソースを提供する。ストレージブリックと呼ばれる)と、ストレージコンシューマー(ストレージリソースをまとめる)のいずれかの役割を果たす。
GlusterFSはストレージ製品として実装しやすい。分散メタデータアーキテクチャを使用しているため、大規模ファイルアーカイブに特に適している。
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