ビデオ会議は「ハドルルーム」で
「未来の会議室」はAIでどう進化するか
生産性を高め、コラボレーションを強化するため、AIが会議室に入り込んでいる。従業員のコラボレーションニーズに対処するためAIサービスが取り得る方向性は4つある。
AIは一時的な流行だという声もある。だが、真の価値が生まれるのはそこからだ。ユニファイドコミュニケーションでは、AIがさまざまな形態と規模で採用されている。AIが具体的な形になりつつある分野の1つがビデオ会議室だ。そこでは、生産性と実験が重視される。
会議室テクノロジーは、ハイエンドな専用ハードウェアとソフトウェアベースの製品が優劣を競っている。市場がこのように揺れ動く中、ハードウェアベースのビデオ会議室に戻ったように思える。現在はやや状況が変わり、会議室は「ハドルルーム」と呼ばれる小さな部屋になった。ハドルルームのベンダーは、Intelの「Intel NUC」、Googleの「Chromebox for meetings」などのデバイスを使用している。
ビデオ会議を進化させるAIに4つの方向性
会議室の最新テクノロジーでは主にコラボレーションと生産性を重視する。仮想的にハドルルームに集まるメンバーは、何かを決めるだけでなく、実作業を共同で行う。こうした方向に向かうため、AIサービスは仮想空間の生産性を向上させる4つの分野に重点を置くようになっている。
1. 音声分析
音声分析とは、会議室で交わされる会話を聞き取り、理解するAIを指す。基盤となるのは音声をテキストに変換するテクノロジーだ。現在のビデオ会議ベンダーの大半は、会議録の自動書き起こし機能の導入に取り組んでいる。書き起こし機能は、次の2つの方法で使用される。
- 話者ダイアライゼーションによる書き起こし。会議の音声を受け取り、個々の話者を切り分け、誰が何を話したかを分かりやすくする。
- 会議中の特定の文章をユーザーが選び、書き起こし対象の動画をその文章まで移動できる書き起こし。
ベンダーがこのパイプラインに加える追加機能には、会議の要約、アクションアイテムの列挙、会議の要点の特定などがある。このような機能が注目するのは動画だが、その価値は依然として音声と会議中に発言内容に重きが置かれている。
2. 音声bot
会議室テクノロジーにAmazonの「Alexa」を応用する考えだ。ビデオ会議室システム製品の一部には既にマイクが内蔵されている。そのため、一種の仮想アシスタントとしても利用できる。
多くのベンダーが、自社製品への音声bot機能の追加に取り組んでいる。最初のステップは、ウェイクワードの追加だ。ビデオ会議システムはこのウェイクワードを待つ。これは、「アレクサ」「オーケー、グーグル」といったコマンドに相当する。ウェイクワードが重要なのは、連続する音声ストリームをクラウドサービスに送信することなくローカルで処理される点にある。
次のステップは、ウェイクワードに続く音声を取得して、リアルタイムの書き起こしを行ったり、発話内容を理解したりする機能だ。こうした機能にはユーザーの意図を見極める目的がある。正確な意図を見極めるには時間もリソースも必要になる。そのため、ビデオ会議室の音声botに関しては、リモートコントロールの代わりや、ユーザーエクスペリエンスをシンプルにすることに重点が置かれている。
こうした機能は、AlexaやGoogleの「Google Home」と競争するものではない。適切なリモートコントロールを提供するための機能だ。
3. コンピュータビジョン
コンピュータビジョンはマシンビジョンとしても知られている。これは、カメラを利用してコンピュータに「視覚」を与えるAIの新しい分野だ。コンピュータビジョン分野の人材の大半は自動走行車に集中しているが、ビデオ会議室向けのユースケースもある。
ビデオ会議向けのコンピュータビジョンでは、会議室にいるメンバーを特定する機能を重視する。例えば、撮影した動画でメンバーの位置を把握したり、自動的にズームを行ったり、参加メンバーを数えたりする機能などがある。会議に何人が参加し、どの部屋を利用しているかを把握することで、もっと多くの会議室が必要かどうか、どの程度の規模の会議室が必要かなど、企業のニーズに応じて貴重な洞察を提供することができる。
リモートコントロールに代わるジェスチャーコントロールや、ホワイトボードを自動識別して焦点を合わせる機能などを追加してコンピュータビジョン機能を拡張しようとしているベンダーもある。
4. 品質改善
AIサービスは、会議室のメディアの品質を向上させるのに重要な役割を果たすこともできる。ビデオ会議で最も効果を発揮するのは、組み込みスピーカーに優れたノイズ抑制技術を施すことだ。ノイズ抑制は、ガラスの壁で仕切られた会議室を利用する場合や、オープンスペースや公共空間から会議への参加を試みる場合に重要になる。
メディアの品質を向上させるために機械学習を利用することも可能だ。だが、今のところベンダーはこの分野の機械学習にそれほど力をいれていないようだ。
リモートワーク、企業間のコラボレーション、分散チームの全てがビデオ会議のニーズを高めている。このように働き方が進化していく状況が、会議室テクノロジーが注目する方向性を変えている。生産性が重要になる。AIは生産性の向上に大きな役割を果たす。
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