企業がAIを活用するための8つのヒント【前編】
優秀なAI人材を得る3つの方法とは? 汚いデータを使えるようにするには?
企業でのAI(人工知能)利用について、前後編にわたり8つのポイントを説明する。前編ではAI人材の確保やビジネスへの活用、データの収集・整形方法について、具体例を交えながら紹介する。
AI(人工知能)はIT活用の最前線だ。AI台頭の背景をさかのぼるとビジネスインテリジェンス(BI)に行き着く。企業はデータを全社から収集し、大規模データベースに格納。それを基にレポートとダッシュボードを作成し、日々の意思決定に利用した。
2010年ごろ、ビッグデータとアナリティクスに注目が移った。最近では、深層学習(ディープラーニング)などの機械学習がもてはやされるようになっている。マーケターがそれらを「AI」とうたい、こうした盛り上がりに拍車を掛けた。
現在、企業はAI技術を導入して、社内のさまざまな業務データを可視化し、それらのデータを行動につなげることに取り組んでいる。企業は技術よりもビジネスの結果や、既存データに学習アルゴリズムを適用して何を引き出せるかに注目するようになっている。
企業はコンピュータビジョンや音声分析に関するノウハウの蓄積も進めている。画像内の物体や動きの特定に加え、音声のテキスト変換やテキストから音声への変換に関するベストプラクティスを生み出している。こうした進歩や、「ビジネスプロセスへの機械学習の活用が、市場での優位性の確保につながる」という考え方を踏まえ、企業はAI活用の取り組みを推進している。
AI活用に取り組む企業にインタビューし、AI技術の利用状況を調査した。対象企業は、第一にAI活用を推し進めるスタートアップ(新興企業)から、AI導入に乗り出さざるを得なくなった大企業までさまざまだ。この調査から、企業が機械学習をはじめとするAI技術を利用する際に直面する課題が明らかになった。以下では、これらの課題とその克服策を前後編に分けて8つ紹介する。
1.適切な人材を見つける
AI活用における大きな課題の一つとして、機械学習などのAI技術に精通している人材を見つけることが挙げられる。人材プールが比較的小さく、Amazon Web Service(AWS)やGoogleなどの大手クラウドベンダーが、高い給与やボーナス、やりがいのある仕事で、開発者やデータサイエンティストを引き付けているからだ。
企業は、以下に示す3つのいずれかの方法で人材を引き付けることができる。
- 世界の小規模な技術集積地に拠点を開設する。サンフランシスコなどの大規模な技術集積地から離れるほど、AI人材の獲得競争が緩和される。
- 熟練のAI技術開発者を引き付ける高い給与と充実した福利厚生を提示し、市場で競争する。
- 既存の従業員に教育訓練を施す。われわれがインタビューしたある企業は、全ての開発者にオンラインでAI技術学習コースの受講機会を提供していると語った。これにより、その会社の開発者の10%がAI技術について知見を得たという。
2.ビジネスにつなげる
機械学習をヘルスケアに適用することと、ソーシャルネットワークのやりとりに適用することは別物だ。どちらの例でも、似たアルゴリズムや技術が使われる可能性があるが、各市場分野自体についての専門知識や経験が必要になる。
コンタクトセンターにおいて、営業トークとパートナー契約の説明とでは、手法やテクニックが異なる。こうした場合においてAIエンジンは、誰がいつ、どのくらいの時間話すかを測定し、分析するだろう。ビジネスにおけるこうした違いやニュアンスを把握しておくことは、統計や機械学習の知識と同じくらい重要だ。
AI技術を活用して得た洞察を商品管理に取り入れ、商品のロードマップや優先順位、機能について意思決定する必要がある場合は、なおさら当てはまる。こうした取り組みを成功させるには、商品を熟知した担当者に商品管理とAI活用を任せることが不可欠だ。
3.適切なデータを収集する
機械学習アルゴリズムは、収集できていないデータや簡単に入手できないデータを分析しなければならない場合がある。具体的にはオンプレミスデータベースやプロプライエタリ(市販)のレガシーアプリケーションのデータ、どこにも保存されないデータなどだ。
有効な結果を得るには、データを常に収集する必要があるわけではない。一方でどのようなデータが使用可能か、それらのデータをどうすれば利用できるかを理解しておくことは重要だ。
4.データをクリーニングする
業務データが非常に汚く、機械学習に使えない場合がある。データにエラーや不整合が生じていたり、データが不完全だったりすることがその原因だ。例として音声からテキストへの変換アルゴリズムによる発話の認識では、バックグラウンドノイズやパケットロスなどの通話干渉が影響する恐れがある。
そうしたデータは、機械学習アルゴリズムで使用できるようにクリーニングしなければならない。さもないと作成されたモデルは実際の出来事を反映せず、目的の最適化も実現できないからだ。データのクリーニング方法は、入力データのフィルタリングや変換ルールの追加による手動のデータ操作から、シナリオに合わせたモデル作成用データの変更まで多岐にわたる。
後編では、企業のAI活用に関する残る4つのポイントについて、取り組み体制やデータに対する考え方の観点から説明する。
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企業がAIを活用するための8つのヒント
企業におけるAI(人工知能)技術の導入は複雑なプロセスになることがある。企業がこれを乗り越えるために取るべき手段とは何だろうか。
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