OS「Raspbian」の最新版も登場
格安PC「Raspberry Pi 4 Model B」 最大4GBメモリと4K対応がうれしい
「Raspberry Pi 4 Model B」は従来モデルから大幅にアップグレードした。どれだけの進化があったか、その性能や特徴を紹介する。
Raspberry Pi Foundationは2019年6月、シングルボードコンピュータの最新モデル「Raspberry Pi 4 Model B」(以下、Raspberry Pi 4)を発表した。計画よりも数カ月前倒しでの発表となったRaspberry Pi 4は、トランプのカードほどの大きさで、価格は従来のRaspberry Piシリーズと同様に35ドルから。クライアントPCの代替としての機能が従来モデルよりも充実している。
新モデルで注目すべき点は、メモリ容量の異なる複数のバリエーションを初めて用意したことだ。これまでのRaspberry Piは、構成の異なるバリエーションを同時にラインアップしたことがなく、メモリ容量は最大1GBにとどまっていた。これに対してRaspberry Pi 4は、それぞれ1GB、2GB、4GBのLPDDR4型SDRAMを搭載した3種類から選択でき、価格は順に35ドル、45ドル、55ドルとなっている。
Armアーキテクチャに基づく1.5GHzクアッドコアの64ビットプロセッサ「Cortex-A72」の搭載により、Raspberry Pi 4は前モデルの「Raspberry Pi 3 Model B+」と比べて高いパフォーマンスを発揮する。前モデルは1.4GHzの64ビットプロセッサ「Cortex-A53」を搭載している。
フォームファクタ(形状と大きさ)の調整を伴う、さまざまな新要素を追加したRaspberry Pi 4は、クライアントPCに代わる現実的な選択肢になる可能性がある。そうなればユーザーは、従来のRaspberry Piより高い価格(メモリが2GBまたは4GBの場合)に見合った価値が得られる可能性がある。
Raspberry Pi 4は電源ポートを従来モデルのMicro-USBからUSB Type-Cへ変更した。高いCPU負荷に耐えられるように従来より500mA高い電流供給を可能にしており、USB 3.0ポート2基とUSB 2.0ポート2基を備えている。デュアルディスプレイも利用できるようになり、4K(4000×2000ピクセル前後の解像度)までの解像度で表示できる。これは、企業や消費者向けのクライアントデバイスとして普及する上で重要なステップだ。
併せて読みたいお薦め記事
「Raspberry Pi」についてもっと詳しく
さまざまなシンクライアントから最適なものを探そう
よりPCに近づいたRaspberry Pi 4
Raspberry Pi 4は「IEEE 802.11ac」規格に準拠した無線LANやBluetooth 5.0による通信が可能だ。GPU(グラフィックス処理プロセッサ)は「VideoCore VI」(グラフィックス用API「OpenGL ES」のバージョン3が利用可能)を搭載。映像コーデックはH.265を採用した。
これまでRaspberry Piシリーズは、小規模なコンピューティングプロジェクトや、企業のデバイス環境の補完のために、あるいは子どもがハードウェアとソフトウェアの仕組みを学ぶための安価なコンピュータとして使われてきた。
Raspberry Pi 4の進化とパワーアップ(メモリ容量が多いタイプは特に)のおかげで、このマシンは従来モデルの特徴だった用途の広さを犠牲にすることなく、より一般的な従来型のコンピュータとしても利用できるようになっている。
2012年に初めて発売されたRaspberry Pi。ユーザーがRaspberry Piのメリットを理解するとともに、シングルボードコンピュータの分野にRaspberry Piのライバルが多数登場してきた。同様の価格帯の人気製品にはRaspberry Piのヒットにあやかって、フルーツパイの名前を冠したものが多い。「Orange Pi」「ODROID」「Banana Pi」「NanoPi NEO」などがある。
Raspberry Pi 4は、Raspberry Pi 3 Model B+からフォームファクタが少し変わり、そのためにケースが新しくなった。それ以外は、従来のRaspberry Pi製品の大部分と互換性がある。
これまでRaspberry Pi Foundationは、既存モデルの簡略版を「Model A」として提供してきた。Model Aは機能が限られているが、価格は安い。
Raspberry Piの標準OS「Raspbian」の最新版も発表
Raspberry Pi Foundation はRaspberry Pi 4に合わせて、Raspberry Piの標準OS「Raspbian」の最新版も発表した。Raspbianの最新版は、Linuxディストリビューション「Debian 10」(コードネーム「buster」)のリリース前のバージョンをベースに開発され、従来版から大幅に刷新されている(Debian 10は2019年7月初旬に公開された)。
「Raspbian Buster」とも呼ばれるRaspbian最新版は、現代的になったユーザーインタフェース(UI)や、Webブラウザ「Chromium 74」のようなアップデートされたアプリケーションの利用を可能にした。新しいグラフィックスドライバは高速なWeb閲覧を実現し、3次元(3D)アプリケーションも利用可能にした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは? -
製品資料
[株式会社みらい翻訳] 音声翻訳活用の課題を解決、“本当に使える”ツールの特徴とは? -
製品レビュー
[Wrike Japan 株式会社] 400店舗を支えるWalmart Canada、散在する情報やアナログな管理をどう変えた? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 年間100件超のDXプロジェクトを統合管理、JERAはどのように実現した? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] グローバルなクリエイティブ業務を合理化、エスティーローダーに学ぶ実践のコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
3
「制御用組み込みPC」に関するアンケート
-
4
“AIコーディング”でどのツールを選ぶ? 「ChatGPT」「Claude」の真価
-
5
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
6
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
7
「複数AIの野放し」に歯止め Salesforceが6製品統合で挑むAI統制の覇権
-
8
「定期診断」発想は要注意? いまセキュリティに求められる持続的な対策とは
-
9
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
10
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
9
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー