モバイルデバイスはシンクライアント市場に浸透していないが、これから人気が出そうだ。アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化ベンダーが、スマートフォンやタブレットへの対応を進めているからだ。
モバイルデバイスの普及が進み、より進化したモデルが続々と登場する中、シンクライアントとしてのモバイルデバイスの魅力が高まっている。
モバイルVDI(仮想デスクトップインフラ)はあまり一般的ではないが、その1つの理由は、従来のスマートフォンやタブレットは画面が小さく、ユーザーエクスペリエンスが貧弱だったからだ。仮想アプリケーションや仮想デスクトップはモバイルデバイス向けには設計されていなかった。そのため、全体を見るには、何度もスクロールしなければならなかった。
また、通信環境もネックになった。リモートユーザーがスマートフォンやタブレットでVDIを利用するには、ネットワーク接続が必要だが、これは常に可能とは限らない。無線信号が弱い場所にいるユーザーが、パフォーマンスの問題に直面することもある。さらに、モバイルデバイスはノートPCやデスクトップPCよりも、紛失や故障が発生しやすい。
だが、モバイルVDIを取り巻く状況は変わり、モバイルデバイスはシンクライアントのより現実的な選択肢となっている。技術の進歩と市場自体の変化がその背景にある。
タブレットやスマートフォンは近年、大型化している。例えば、「iPhone 4s」は3.5インチ画面だったが、「iPhone X」は5.8インチだ。モバイルデバイスベンダーは画面解像度も高めている。iPhone 4sでは960×640だったのに対し、iPhone Xは2436×1125となっている。
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