事例で探る「コンポーザブルインフラ」の可能性【前編】
放送サービス企業がHCIではなく「コンポーザブルインフラ」を選んだ理由
コンポーザブルインフラは、企業にどのようなメリットをもたらすのか。放送サービス事業者Skyview Networksの事例から探る。
放送サービスを提供するSkyview Networksは、大量のストリーミングコンテンツを運用するため、動的にコンピューティングとストレージを拡張できるインフラを必要としていた。こうしたインフラの代表例はクラウドだが、同社は大量のデータをクラウドに転送するための料金を調べたところ、致命的な額にまで高騰することが分かった。この問題に対してどのような手法を取り入れたのか。
Skyview Networksが選択したのは、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が提供するコンポーザブルインフラ「HPE Synergy」をオンプレミスに導入することだ。Skyview NetworksはHPE Synergyでプライベートクラウドを構築した。「HPE Synergyを導入した結果、ネットワークトラフィック量に応じてコンピューティング、ネットワーク、ストレージのリソースを動的に組み合わせることができるようになった」。同社のIT部門でバイスプレジデントを務めるクリス・ホルバート氏はこう話す。
テレビやラジオ向け音声データの配信インフラに活用
ケーブルテレビのチューナーや衛星放送受信機が採用している仕組みと同じように、Skyview NetworksのサーバはTCP/IPのトラフィックをデジタル音源にデコードする役割を担う。デコード後のオーディオストリーム(音声データの流れ)は衛星通信を経由して全国の主要ラジオ局、テレビ局、地方のスポーツチャンネルなどに配信する。
HPE Synergyはコンピューティング、ストレージ、電源などハードウェアの各コンポーネントと、これらを統合するネットワークファブリックを10U(ユニット)サイズのラックに登載している。プラグインによって機能連携や機能追加が可能だ。Skyview Networksのサーバは放送する番組のデータストリームを1日中衛星に送信しており、これをHPE Synergyで構築したVMware製品による仮想環境で運用している。「番組の視聴者と広範に及ぶサービス品質保証(SLA)の契約を結んでいるため、そのSLAを満たすシステムが必要だった」(ホルバート氏)
コンポーザブルインフラは、各コンポーネントを分解し、コードによって管理することが可能なインフラだと表現されることがある。「ソフトウェア定義」の手法を採用したもので、複数のアプリケーションやシステム向けにインフラを自由に組み立てることができる。運用管理を自動化できることが、コンポーザブルインフラの特徴だ。コンポーザブルインフラはソフトウェアによってハードウェアのリソースを論理的にプール(リソースを蓄えること)し、各コンポーネントをサービスとして利用できるようにする。
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事例で探る「コンポーザブルインフラ」の可能性
3層型のインフラでもコンバージドインフラやハイパーコンバージドインフラ(HCI)でもなく、「コンポーザブルインフラ」を選択する動きがある。コンポーザブルインフラは企業の間に広がるのだろうか。幾つかの事例から占う。
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