5000人が対象
Microsoftがインド政府職員の「AI」スキル向上のためにやっていること
Microsoft Indiaはインド政府と提携し、同政府職員向けにAI技術やデータガバナンス、クラウドに関する新たなトレーニングプログラムを始動する。その中身とは。
Microsoftのインドにおける子会社であるMicrosoft Indiaはインド政府に協力して、世界で2番目に人口の多いこの国の政府職員5000人に向けて、人工知能(AI)技術やデータガバナンス、クラウドのスキル向上を目指すトレーニングを提供する。
2019年8月27日、Microsoft India主催の「Digital Governance Tech Summit 2019」がインドのニューデリーで開催された。そこで同社が発表したのが「Digital Governance Tech Tour」だ。これは、インドの国営企業や政府の提携企業の従業員を含め、インド政府の技術系管理職やIT担当者向けに無料ワークショップや技術認定の提供を目指す。
Microsoft IndiaのAIトレーニング
Microsoft IndiaがDigital Governance Tech Tourの一環として実施する、AI技術に関するトレーニングは、政府職員のスキル向上を目的とする。コンサルティング企業Deep Analysisの創設者アラン・ペルツシャープ氏は、こうしたトレーニングが技術企業にとって「正しい活動」だと評価している。
全体的には、AI技術への理解は不十分で導入もあまり進んでいない。そのため、このようなトレーニングはインドに限らず、あらゆる地域で長年の懸案になっている。 「AI技術は国家レベルでも地方レベルでも、インド政府に大改革をもたらし、文書業務を大幅に削減し、プロセスの自動化を導くのに効果がある」とペルツシャープ氏は話す。
AIや自動化などの技術への理解が進み、導入の効率が上がれば、文書業務の正確さが増し、意思決定プロセスの透明性が高まり、業務の処理時間が短縮されるだろう。
インド政府がMicrosoftとしていること
Digital Governance Tech Tourは、インド政府が進めるプログラム「Digital India」にも沿っている。このプログラムは、政府サービスを国民がデジタル技術を通じて利用できるようにする国家戦略だ。同プログラムでは、政府のITインフラの強化や、インド農村部への高速インターネット接続の設置などが計画されている。Microsoftは、インドのデータセンターに数年前からクラウドサービスを提供している。
Microsoft Indiaは、インドのハイデラバードを拠点として、インド政府やインドの企業と長年にわたって密接に連携している。2019年8月の始めには、Indian School of Business(インド商科大学院)とMicrosoft Indiaが、AI技術を利用して事業や国政の問題を研究するために、研究パートナーシップを結んだことを明らかにしている。
企業ユーザー
AI技術の教育は企業の担当者やエンドユーザーも重要だとペルツシャープ氏は指摘する。故にMicrosoft Indiaが政府向けに提供するAI技術関連のワークショッププログラムでは、AI技術のエンドユーザーとなる非IT系の政府職員にもトレーニングを提供すべきだと同氏は主張する。
「IT担当者は当然、AI技術の仕組みや導入方法を理解する必要がある。だが、実際にはこのAIプロジェクトは、本質的にはビジネス変革プロジェクトだ」とペルツシャープ氏は指摘。こうしたプロジェクトの対象となり、主導、管理するのは「IT担当者ではなく事業部門の担当者であるべきだ」と主張する。
ペルツシャープ氏によれば、全てのAIプロジェクトの少なくとも80%は、「事業戦略、変更管理、データ収集、正確さとバイアスの継続的な監視」にある。そのため、トレーニングを受ける5000人がインド政府機関のトップやマネジャーであればうれしいというのが同氏の率直な意見だ。
AI技術によってインド政府の文書業務を削減するには、既存の手動プロセスを遂行する担当者が移行をサポートする必要がある。そうした担当者の積極的な関与がなければ「ほとんど変化はなく、高額なIT請求が生じるだけだ」とペルツシャープ氏は指摘する。「そうした担当者が、議論と教育に最初から携わらなければならない」(同氏)
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