「Neo」と「Cloud Foundry」が中核要素
「SAP Cloud Platform」とは? クラウド版SAP S/4HANAとの違いは
SAPのPaaS「SAP Cloud Platform」は、同社の他のサービスとどう違うのか。主要な機能と特徴を説明する。
SAPの製品群を理解するために、重要な点を1つ明確にしておく。それはSAPの「SAP Cloud Platform」が、同社の統合業務(ERP)パッケージ「SAP S/4HANA」を導入する手法の一つというわけではないことだ。SAP Cloud Platformは、クラウドで運用されているSAP S/4HANAを指しているわけではない。新しいテクノロジー同士を組み合わせるためのPaaS(Platform as a Service)だ。
SAP Cloud Platformのメリット
SAP Cloud Platformは、オンプレミスまたはクラウドで運用するERPパッケージの機能を拡張して、SAPの「SAP Leonardo」を活用するための橋渡しの役割を果たす。SAP Leonardoは、モノのインターネット(IoT)やブロックチェーン、機械学習などに関する製品/サービス群だ。
Appleの「iOS」用SDK(ソフトウェア開発キット)やオープンAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)など、SAP Cloud Platformは多数のツールを備えている。ユーザー企業はこうしたツールを利用することで、クラウドにおける業務アプリケーションの効率的な構築、拡張、連携が可能になる。
インメモリデータ処理システム「SAP HANA」の機能をクラウド形式で提供する「SAP Cloud Platform, SAP HANA Service」も、SAP Cloud Platformから利用できる。SAP Cloud Platform, SAP HANA Serviceを利用すれば、プログラミング言語「Java」のAPIや各種のアプリケーション実行環境を使って、SAP Cloud Platformで運用する自社アプリケーションから、SAP HANAデータベースを利用できる。
SAP Cloud Platformの2大中核要素「Neo」と「Cloud Foundry」とは
SAP Cloud Platformの主要な構成要素は「Neo」と「Cloud Foundry」という、2つの異なるアプリケーション配備(デプロイ)環境だ。「どちらの環境を選ぶかによって、企業がクラウド活用を成功させるために必要となるテクノロジーが変わる」。こう話すのは、ドイツに本社を置くITコンサルティング企業のSNP Schneider-Neureither & Partnerで最高技術責任者(CTO)を務めるスティール・アービーニ氏だ。
アービーニ氏によるとNeoは、一般的なIaaS(Infrastructure as a Service)とよく似ているという。Neoを利用するには、OSの管理とセキュリティ対策、監視、運用のためのスキルやツールが必要になる。災害復旧、スケーラビリティ、キャパシティープランニング、高可用性を独自に計画する知識も求められる。
もう一つの重要なコンポーネントが、PaaS構築ソフトウェアのCloud Foundryだ。Cloud Foundry自体はAmazon Web Services(AWS)やGoogleなど、SAP以外のベンダーのクラウドでもホストできる。
Cloud Foundryではコンテナを使ったアプリケーションを開発可能だ。これによりスケーラビリティ確保やリソース管理、OS管理といった運用負荷が軽減される。「どのOSでアプリケーションのコンポーネントが運用されているかさえ分からない可能性がある」(アービーニ氏)
注意すべきなのは、アプリケーションデプロイ環境としてNeoとCloud Foundryのどちらを選ぶかによって、利用できるSAP Cloud Platformのサービスが異なることだ。SAP Cloud Platformの使用を計画している場合、各環境の長所と短所を検討し、DevOps(開発と運用の融合)といった自社で使う開発手法との相性を調査することが欠かせない。
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