オンプレミスからオンプレミスは対象外
「SAP Cloud Platform」統合ツールのメリットとデメリット(1/2 ページ)
クラウド間統合やクラウドとオンプレミス間統合にはSAP製品が最適な場合が多い。だが、それ以外に目を向ける方が良い場合もある。
「SAP Cloud Platform」はさまざまな環境を統合するためのサービスが備わっている。SAPアプリケーションのエコシステムと同様、SAP Cloud Platformにも高い柔軟性を備えたツールが組み込まれている。だが、SAP Cloud Platformのオプションは複雑だ。重複するオプションもある。そのことが、業務に適切なツール選びに混乱を引き起こす恐れがある。
SAP Cloud Platformを使ってエンタープライズ用アプリケーションを拡張する場合、SAPはガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)要件が守られている必要がある。これが、オプションが複雑になっている原因の一つだ。
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SAP Cloud Platformの統合サービスは、B2Bでのやりとり(B2Bトランザクション)などのサポートに重点を置く。クラウドで実行するSAPアプリケーションとさまざまなSaaSアプリの統合ついても同様だ。大まかにいって、統合する方法は2つある。1つはB2Bトランザクションのようなプロセスの統合。もう1つは、分析や機械学習といったアプリケーションのデータ統合だ。
多くのツールのトレードオフ
SAP Cloud Platformの統合ツールとサードパーティーの代替製品を比較検討する際、幾つかのトレードオフを前提とした評価をしなければならない。調査会社Gartnerでリサーチ部門のディレクターを務めるマッシモ・ペジーニ氏は、メールでのインタビューに次のように答えた。「これらのサービスにはパッケージ化されたSAP SaaSアプリケーション用の統合コンテンツが用意されている。統合をより簡単かつ迅速にできる。なお、SAP SaaSアプリケーションには『SAP S/4HANA Cloud』『SAP Ariba』『SuccessFactors』『SAP Hybris』などがある。SAPは、これらの資産から最適なものを迅速に見つけ出せるようにAI支援によるツールを提供している」
SAP Cloud Platformでの統合では、クラウド間統合とクラウドとオンプレミス間の統合をサポートするために設計されていなければならない。つまり、オンプレミス間での統合は対象外となる。そのため、SAPアプリケーションとサードパーティーアプリケーションがどちらもオンプレミスにある場合、その統合にはSAP Cloud Platformのツールはそれほど役に立たない。これらに対応するために、SAPでは「SAP Process Orchestration」や「SAP Data Services」などツールも用意している。ただ、これらはSAP Cloud Platformと部分的にしか互換性がない。これはテクノロジーやスキルが一部重複しているためだとペジーニ氏は語る。
SAP S/4HANAやSAPの「SAP ERP Central Component」など、同社の主要製品にはオープン標準ベースのAPIが幾つか含まれている。他にも、SAPの「Business Application Programming Interface」「Application Link Enabling」「IDoc(Intermediate Document)」「Remote Function Call」など、専用APIも複数用意されている。ペジーニ氏によると、SAP統合は統合基盤でサポートされている最も一般的なユースケースの1つだという。ビジネス統合製品を扱う各ベンダーの製品にはSAP統合を実現したしっかりとした実績がある。例えばSoftware AGの「webMethods」、TIBCO Softwareの「TIBCO BusinessWorks」、Dellの「Dell Boomi」、MuleSoftの「MuleSoft」、IBMの「IBM Integration Bus」、Jitterbitの「Jitterbit」などだ。
多様なアプリケーションを統合する必要がある企業は、これらのいずれかの基盤を検討することをペジーニ氏は推奨している。ただし、SAP中心のポートフォリオではSAPの統合ツールを選ぶのが適切だ。価値を実現するまでの時間が短縮されるメリットが提供されるためだ。
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