HANAに関する混乱のために、多くの顧客が二の足を踏んでいる。その課題について専門家に解説してもらった。
SAPは2014年の「Run Simple」キャンペーン開始当時、「SAPは扱いにくくて複雑だ」という評判を変えたいと考えていた。
だがその後数年、HANAベースの製品やシステムの混乱が続き、多くの顧客は頭を抱えた。
数々の製品に加えて「HANA Cloud Platform」や「Business One Cloud」があり、CRMや「Business Warehouse on HANA」のようなSAPコンポーネントも数多い。そしてもちろん、同社の主力ERPの「Business Suite on HANA」と、フル機能を装備した後継の「S/4HANA」もある。同社はまた、HANAブランド下でアプリやアクセラレーターを含む幅広い製品やサービスを展開している。
英国とアイルランドのSAPユーザーグループが最近実施した調査では、ユーザーの70%が「S/4HANAへの移行ルートについて、SAPは明瞭に伝えることができていない」との認識を示した。
長年SAP製品を使ってきたHillarys BlindsのICT責任者ジュリアン・ボンド氏は言う。「それはマーケティングの仕事だとSAPは考えている。これには良い点もあるが、顧客層には何がどうなっているのか全く見当が付かず、実際のところ、それ自体があらゆる混乱を引き起こしてきた」
「われわれはBusiness Suite on HANAに移行した。これは、もともとS/4HANAになるはずだった。ところがSAPはゴール地点を動かして、その後に新バージョンをリリースし、それが実際のS/4HANAだと言っている」という。
Hillarysは結果として、盛んに宣伝されているアプリポータル「Fiori」のような先端の機能を全面的には活用できていない。
SAP顧客にとっての問題は、S/4HANAへ移行するかどうか、そしてどう移行するかを決めることが、決して簡単ではない点にある。
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