それでもS/4HANAに移行しないSAPユーザーの本音Computer Weekly製品導入ガイド

Hillarys Blindsはビジネスプロセス最適化のため、SAP CRMをOracleからHANAプラットフォームへと切り替えた。

2017年08月24日 08時00分 公開
[Brian McKennaComputer Weekly]

 分析やビジネスアプリケーションの運用強化を目的に、SAP HANAの利用を選択した顧客は少なくない。だがそれほど数が多いわけでもなく、声もあまり大きくない。

 英国でブラインドの製造と販売を手掛ける中堅企業のHillarys Blinds(本社ノッティンガム)は、高速インメモリデータベースのHANAを導入した。同社はHANAでSAPビジネスアプリケーションを運用している世界5000〜6000社の中の1社だ。

主力製品

 今、SAPのカラム型インメモリデータベースは、データベース販売に乗り出した2010年以来、同社の戦略の要になっている。ERPのための完成されたシステムであるS/4HANAは、2015年2月以来、同社の主力製品となった。S/4HANAは「SAP Business Suite 4」を短縮した名称で、初期のSimple Financeの一部だった。

 だが、それより前の「Business Suite on HANA」のために、事態は混乱している。Hillarysが使っているのもこの製品だ。同製品はHANA上で実行できるSAPのアプリケーションスイートだが、S/4HANAのように最初からHANA専用に設計されたものではない。

 HillarysがBusiness Suite on HANAに移行した2015年8月の時点で、S/4HANAは既に発表されていた。しかしHANAに最適化されたフルERPとしてはまだ未成熟で、他の競合するデータベースに適していた。

 HillarysのICT責任者、ジュリアン・ボンド氏は、同社が「ECC6.0」ではなく「ECC5.0」を使っていた経緯を振り返る。ECC5.0よりもECC6.0の方が機能も勝っていたはずだった。




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