今から始めるSAP S/4HANAへの移行準備――SAP ERPの2025年問題に備えるデータベースの制約、管理方針など検討事項は多数

SAPは、同社の「SAP ERP」のサポートを2025年に終了する。顧客はこれに備えて、今から計画に着手すべきだと考えているインフラサービスベンダーもいる。

2018年05月07日 05時00分 公開
[Jim O'DonnellTechTarget]

関連キーワード

SAP | Linux | SAP HANA | ERP


画像 今から取り組んでも間に合わないケースも

 SAPは「SAP ERP 6.0」「SAP Business Suite 7」のサポートを2025年に終了する予定だ。事実上、ユーザーは同社の次世代ERP「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)への移行を迫られる。

 2025年はかなり先のように思える。だが、S/4HANAへの移行を検討しているSAPの顧客は、今からインフラ計画の作成を始めた方が良い。それは、S/4HANAの導入がかなり大変な仕事だからだ。的確に準備をしなければ多くの企業は厳しい状況に陥る可能性がある。

 SAPを利用する企業ごとに複雑さは異なる。だが、どの企業も今からS/4HANAへの移行戦略を考えておいた方が良いと話すのは、RackspaceでSAP運用部門のディレクターを務めるウェス・マウアー氏だ。同社は、さまざまな基盤向けにインフラ管理とホスティングサービスを提供している。マウアー氏が率いるSAP運用グループは、顧客向けに「SAP BASIS」の管理作業を担当し、S/4HANAへの移行などのプロジェクトを評価している。さらには、SAPインフラがオンプレミスで運用されているか、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドでホストされているかにかかわらず、そのSAPインフラを移行する技術的な作業も担当する。

 「まだ7年もあり、かなり先のことのように思える。それでも今から移行プロセスを始めることを推奨している。だが、今から始めても既に時間的にぎりぎりの顧客もある。どれほど時間が必要になるかは、環境の複雑さと全体への影響度によって決まる。そのため、画一的な評価にはならない。全体的にどれほどの労力が必要になるのかを分析する手助けが必要だ」(マウアー氏)

 小さな企業なら、切実な移行理由が生じるまで保留できるかもしれない。だが、大きな企業は今から計画に着手する方がよいだろう。

インフラの切り替えは簡単な仕事ではない

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品レビュー ServiceNow Japan合同会社

「迷路のような社内ポータル」から脱却、HR業務をセルフサービス化する秘訣

従業員にさまざまなサービスを提供するHR業務に、生成AIを導入する動きが加速している。生成AIは、HR業務が抱えている課題をどのように解決し、従業員エクスペリエンス(EX)の品質向上と組織全体の生産性向上に貢献するのだろうか。

製品資料 株式会社日本能率協会マネジメントセンター

人材採用で増える動画選考、AI活用で見極めをどれだけ効率化できるのか

優秀な人材を採用するためには面接が欠かせないが、応募者のAI活用スキルも上がり、書類選考では見極めが難しい。また面接は実施数が多いと人事担当者の負担が大きくなる。そこで取り入れたいのが、動画での応募とAIを活用する方法だ。

製品資料 株式会社インターコム

「働き方改革関連法」対策を再点検、企業が取るべき実務対応とは?

「働き方改革関連法」の施行に伴い、労働時間の適正把握や時間外労働の上限規制など、企業はさまざまな対応を進めてきた。しかし、適切な対応ができているか改めて点検すべき点もある。企業が取るべき実務対応について解説する。

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

従業員体験悪化を防ぎ、効率性向上と従業員エンゲージメント維持を両立するには

従業員エンゲージメント向上のために導入したデジタルポイントソリューションがシステムの複雑化を生み、結果的に従業員体験の悪化を招いている。効率性向上の最適化を推進しつつ、従業員エンゲージメントを維持するにはどうしたらよいか。

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

従業員満足度を高めて「優秀な人材」の定着率をアップさせる方法とは?

企業にとっては、いかに優秀な人材を確保するかが大きな課題となっている。そこで、AIとスキルインテリジェンスを活用することで従業員満足度を高め、定着率の向上、ビジネスの成長へとつなげていくための3つのステップを紹介する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...