SAPは、同社の「SAP ERP」のサポートを2025年に終了する。顧客はこれに備えて、今から計画に着手すべきだと考えているインフラサービスベンダーもいる。
SAPは「SAP ERP 6.0」「SAP Business Suite 7」のサポートを2025年に終了する予定だ。事実上、ユーザーは同社の次世代ERP「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)への移行を迫られる。
2025年はかなり先のように思える。だが、S/4HANAへの移行を検討しているSAPの顧客は、今からインフラ計画の作成を始めた方が良い。それは、S/4HANAの導入がかなり大変な仕事だからだ。的確に準備をしなければ多くの企業は厳しい状況に陥る可能性がある。
SAPを利用する企業ごとに複雑さは異なる。だが、どの企業も今からS/4HANAへの移行戦略を考えておいた方が良いと話すのは、RackspaceでSAP運用部門のディレクターを務めるウェス・マウアー氏だ。同社は、さまざまな基盤向けにインフラ管理とホスティングサービスを提供している。マウアー氏が率いるSAP運用グループは、顧客向けに「SAP BASIS」の管理作業を担当し、S/4HANAへの移行などのプロジェクトを評価している。さらには、SAPインフラがオンプレミスで運用されているか、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドでホストされているかにかかわらず、そのSAPインフラを移行する技術的な作業も担当する。
「まだ7年もあり、かなり先のことのように思える。それでも今から移行プロセスを始めることを推奨している。だが、今から始めても既に時間的にぎりぎりの顧客もある。どれほど時間が必要になるかは、環境の複雑さと全体への影響度によって決まる。そのため、画一的な評価にはならない。全体的にどれほどの労力が必要になるのかを分析する手助けが必要だ」(マウアー氏)
小さな企業なら、切実な移行理由が生じるまで保留できるかもしれない。だが、大きな企業は今から計画に着手する方がよいだろう。
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