ラグビーなどの激しいスポーツで、選手の命に関わる脳振とうをいかに防ぐか。「SAP HANA」をベースにした「PROTECHT」は、IoTマウスピースで取得したデータから頭部への衝撃を計測し、脳振とうの防止に役立てる。
相手選手と直接ぶつかり合うフルコンタクトのスポーツでは、頭を強く打つことによって生じる脳振とうの問題に注目が集まっている。スポーツテクノロジー企業Sports & Wellbeing Analyticsが開発したアプリケーション「PROTECHT」(画面1)は、脳振とうを防ぎ、コンタクトスポーツの安全性を高めるのに役立つ可能性がある。
PROTECHTはSAPのPaaS(Platform as a Service)である「SAP Cloud Platform」で動作するアプリケーションで、コンタクトスポーツにおける頭部への衝撃を計測するために開発された。インメモリーデータ処理システム「SAP HANA」をベースにしている。ラグビー用に作られたアプリケーションだが、英スウォンジーを拠点とするSports & Wellbeing AnalyticsのCEO、クリス・ターナー氏によると、アメリカンフットボール、総合格闘技、ホッケーなど、選手がマウスピースを使うスポーツならどのようなスポーツでも利用できる。
現在、スウォンジーのプロラグビーチームOspreysがPROTECHTを使用している。
PROTECHTは、マウスピースに埋め込んだIoT(モノのインターネット)センサーを利用して、トレーニング中や試合中にぶつかった選手のデータを取り込む(写真1)。このセンサーは無線通信機能を使用して、ラグビーコートのサイドラインの外側にある集計用ノートPCに、データをリアルタイムで送信する(写真2)。アナリストはその集計用ノートPCを使ってデータを解釈する。集計用ノートPCは集めたデータをまとめて、クラウドに送信する。こうすることで、リアルタイム分析ツール「SAP Analytics Cloud」を使ってより詳細に分析できる。
マウスピースのデータが含む回転と並進という2つの要素を使って、PROTECHTは選手同士が衝突したときの速度と力を計測する。「トレーニング時や一つ一つの試合時、さらに長い時間を通じて、個別の衝突ケースと、蓄積した衝突ケースの両方で衝撃の回数や大きさを確認できる」とターナー氏は話す。
PROTECHTはSAPのIoTサービス「SAP Cloud Platform Internet of Things」とも連携する。ターナー氏によると、PROTECHTはSAP Analytics Cloudを使って動作しているため、エンドユーザーが特定のニーズに合わせて分析をカスタマイズできるようにしているという。チームは、サブスクリプションでPROTECHTを利用できる。
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