レガシーハードウェアの運用ノウハウ【後編】
「VAX」のクラウド移行も可能? レガシーを使い続けるための延命のヒント
ハードウェアは古くなっても生かせる選択肢がある。運用管理やコストを最適化するために古いハードウェアやそこで動くアプリケーションをどのように扱えばよいかを紹介する。
世代の古くなったハードウェア(レガシーハードウェア)の運用管理を容易にする特効薬はない。これまで通りの運用を継続することが必ずしも正しいとも限らない。どのような選択肢があるのだろうか。
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古いハードウェアは処分か維持か
レガシーアプリケーション最新化の視点
レガシーハードウェアで重要なアプリケーションを運用する場合、ハードウェアが故障した場合に代替のハードウェアを用意できないことが問題になる。アプリケーションの仮想化やコンテナ化を実施しておくという選択肢はあるが、それでもこの問題を解消できるとは言い切れない。
「VAX」などのレガシー維持のヒント
依然として、登場から数十年が経過した旧式のミニコンピュータ(主に科学技術計算で利用される小型コンピュータ)である「VAX」(Virtual Address eXtension)を利用している組織もある。この場合、致命的な障害に備えてVAXのアプリケーションをVMware製品による仮想環境に移植することはほぼ不可能だと言える。この場合に可能な選択肢は、保守サービス契約を結んでいるベンダーに、ハードウェアの予備機を確保してもらうことだ。障害が発生した後にアプリケーションの運用を正常に戻すには、代替のハードウェアを用意しておくと安心できる。
レガシーハードウェアのエミュレーション(挙動を別のハードウェアやシステムで模倣すること)をクラウドで実施し、そこにレガシーハードウェアのアプリケーションを移動させる選択肢もある。例えばStromasysのエミュレーション技術を使うと、クラウドでVAXなどの古いハードウェア向けのアプリケーションを運用できる。
レガシーハードウェアの目的変更
レガシーハードウェアの利用目的を変えることもできる。老朽化したストレージやサーバを処分するのではなく、例えばその2つを組み合わせて1つのソフトウェア定義ストレージ(SDS)として利用できる可能性がある。こうしたSDSで高いパフォーマンスを必要とするアプリケーションの運用はできないが、汎用(はんよう)的なストレージシステムを必要としている場合は魅力的な選択肢になる。
古くなったストレージは、最新世代のストレージよりも電力消費量が高く冷却の要件も厳しい場合が一般的だ。それでも床を二重構造にしてデータセンター内の冷気を有効に使い、冷却コストを削減している企業もある。
レガシーハードウェアがまだ役立つことを認識
レガシーハードウェアのパフォーマンスで企業の最新のビジネスを支えることは容易ではない。レガシーハードウェアを維持するためのコストや時間が負担になることも確かだ。とはいえ稼働開始から5~10年ほどのサーバやストレージであれば、利用目的を変更することで有効に利用できる可能性が高い。
一方で何十年も運用してきたハードウェアであれば、エミュレーションによってアプリケーションの運用環境を変更するのでない限り、そのまま残しておくのが無難だろう。何十年も稼働しているハードウェアで運用されるアプリケーションはあまり複雑でなく、自己完結度が高いことから、安定性やセキュリティの面で優れている可能性が高いためだ。
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