ハードウェアを安全に廃棄する方法【前編】
PC廃棄を安心して任せられる「産業廃棄物処理業者」の正しい選び方
寿命を終えたハードウェアは適切な方法で廃棄しないと、情報漏えいやコンプライアンス違反を招くリスクがある。ハードウェアを安全に廃棄するために知っておきたい、産業廃棄物処理業者の選定ポイントを説明する。
保守サポートの期限切れや老朽化により、社内で管理するPCやサーバ、スイッチなどのハードウェアはいつか必ず廃棄する必要がある。このときに適切な方法を取らないと、データ漏えいやコンプライアンス(法令順守)違反を招くリスクがある。
故障だけでなく、ベンダーサポートの終了時期や、HDDやSSD(ソリッドステートドライブ)の経年劣化を鑑みて、ハードウェアの更改時期を決める企業が少なくない。企業がハードウェアを入れ替える周期は一般的にPCが3~5年、サーバがおよそ7年と言われる。
更改時期を迎えたハードウェアは、通常は産業廃棄物処理業者(産廃処理業者)に廃棄を依頼することになる。ただし「産廃処理業者に廃棄を頼んだ段階では、作業は完了していない」と、デルでDell EMC製品の廃棄サービスを担当する代田和彦氏は話す。
併せて読みたいお勧め記事
ハードウェアのライフサイクル管理
できれば長く使いたい
ハードウェアは事業で出たごみである「産業廃棄物」に分類される。産業廃棄物を出す事業者は、産業廃棄物の最終処分までの一連の作業を適切に実行することに対する責任(排出事業者責任)を負う。これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)で規定されている。このため仮にPCの廃棄を委託した産廃処理業者が不法投棄などの問題を起こした場合、もともとそのPCを保有していた企業の責任が問われる。そのため産業廃棄物を引き渡した後も、産廃処理業者が適切に処理したかどうかを確認する必要がある。
産廃処理業者を選ぶ際のポイント
代田氏と同じく、デルでDell EMC製品の廃棄サービスを担当する内海雅代氏は「ハードウェアを購入したベンダーが廃棄サービスを提供している場合、そのサービスを使うと廃棄時のリスクが比較的低くなるのではないか」と話す。購入したベンダーを介さずに産廃処理業者を選ぶときは、下記の要素に気を付けるとよい。
- 「固定資産廃棄証明書」や「産業廃棄物管理票」(いずれも詳細は後述)などの廃棄証明書を発行できるかどうか
- 下請け業者への監査をはじめとした正しい処分方法を保つための対策がなされているかどうか
- 「ISO 14001」(環境マネジメントシステムの国際規格)や「ISO 27001」(情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格)などの認証を取得しているかどうか
監査や税務調査のときに必要となる廃棄証明書は、無視してはいけない要素だ。廃棄証明書とは、会社保有PCをはじめとした固定資産を廃棄したことを証明する固定資産廃棄証明書や、産廃処理業者が適切な方法で処理したことを証明する産業廃棄物管理票(マニフェスト)など、廃棄を客観的に証明する書類の総称だ。
代田氏によれば「産業廃棄物の処分料が無料の業者も存在する」が、そうした業者は廃棄証明書の発行に高い金額を請求するケースがあり「注意が必要だ」という。例えばDell EMCが自社製品に対して提供する廃棄サービスの場合、ハードウェアの処分と廃棄証明書の発行にかかる料金はPCが1台当たり3000円(税別)。サーバとストレージが1台当たり7600円(税別)だ。
「廃棄フローの可視化」ができる業者であるかどうかも、産廃処理業者を選ぶ際のポイントになる。ハードウェアの廃棄に当たって予想外の事態が起きるリスクを軽減するには、どのような手順や方法でハードウェアを廃棄するのかを詳細に把握することが欠かせないからだ。産廃処理業者によっては、リサイクルまたは最終処分するまでの過程や方法、処理の場所をレポートによって可視化していたり、処分の工程で関わる下請け業者の業務監査を定期的に実施し、報告書にまとめたりしている。
後編では、ハードウェアを廃棄する際に必須となる、データを完全消去するための方法について詳しく説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハードウェアを安全に廃棄する方法
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント -
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発の生産性と機密性を両立、自社環境で構築する「セキュアAI」活用術 -
製品レビュー
[ServiceNow Japan合同会社] 問い合わせの約9割を自動で解決、AI主導の自律型CRMがもたらす業務変革の全貌 -
市場調査・トレンド
[ServiceNow Japan合同会社] AI活用が業務自動化で止まる理由は何か? 調査で判明した課題と変革への道筋
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
2
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
3
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
4
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
5
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
6
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー