新型コロナ禍で高まる需要
ZoomなどのWeb会議で「バーチャル背景」を使いたくなる“切実な理由”
CiscoはWeb会議サービス「Cisco Webex Meetings」のPC版で「バーチャル背景」を利用できるようにする。「Zoom」と「Microsoft Teams」も提供しているバーチャル背景に、エンドユーザーの期待が集まるのはなぜか。
Cisco Systemsが提供するWeb会議サービス「Cisco Webex Meetings」のPC版クライアントアプリケーションのエンドユーザーから、「バーチャル背景」(「仮想背景」「カスタム背景」とも)が使えないことに不満の声が上がっている。Zoom Video Communicationsの「Zoom」とMicrosoftの「Microsoft Teams」のPC版クライアントアプリケーションは、バーチャル背景機能を既に提供している。
いずれはCiscoもCisco Webex MeetingsのPC版クライアントアプリケーションでバーチャル背景を利用可能にする計画だが、時期は明らかにしていない。バーチャル背景は、会議出席者が画像を選んで自分の背景に表示できる機能だ。例えば自分が緑のスクリーンの前にいるかのように見せることができる。
Ciscoは、Cisco Webex MeetingsのApple「iOS」搭載モバイルデバイス向けのクライアントアプリケーションや、ハイエンドタッチスクリーンディスプレイ「Cisco Webex Desk Pro」にはバーチャル背景機能を実装している。だが、それでは不十分と考えるエンドユーザーもいる。
なぜ「バーチャル背景」が求められるのか
エンドユーザーはバーチャル背景を重宝している。同僚に自宅の中を見られずに済むからだ。バーチャル背景機能の存在により、誰が一番面白い背景を見つけられるかを同僚の間で競い合い、会議を活気付けることもできる。
「バーチャル背景はまず何よりも、面白いから使いたい。クローゼットが開いたままのときも便利だ」と、Cisco Webex Meetingsユーザーでソフトウェアエンジニアのジョン・ホブランド氏は語る。バーチャル背景を使えば、見える場所にうっかり置いたままにしたホワイトボードを、誰かがのぞき込むのも防止できるとホブランド氏は説明する。
ミシシッピ州立大学(Mississippi State University)のコンピュータサイエンス准教授、T.J. ジャンクンケリー氏は、Cisco Webex Meetingsをオンライン教育に使っている。ジャンクンケリー氏がバーチャル背景機能を求めているのは、同氏と学生がPCで多くの作業をこなしているからだ。
バーチャル背景は「移り気な学生を引き付けるのに効果的だ」とジャンクンケリー氏は話す。「学生をオンライン学習に取り組み続ける気にさせるなら、どんなものでも有益だ」(同氏)
Ciscoは、ライバルのZoom Video CommunicationsとMicrosoftにPC向けクライアントアプリケーションでは後れを取っている。ZoomはPCで何年も前からバーチャル背景の利用を可能にしており、Microsoftも2020年4月に、Microsoft TeamsのPC向けクライアントアプリケーションにバーチャル背景機能を追加した。Zoom Video Communicationsは2020年1月に動画のバーチャル背景を利用できるようにした。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中で、人々はWeb会議ツールを使って同僚や家族、友人とのつながりを保っている。Microsoft、Zoom Video Communications、Ciscoはいずれも、トラフィックの急増を報告している。
バーチャル背景はこれまで以上に重要になっている。人々が自宅でWeb会議ツールを使うようになったからだ。バーチャル背景機能を使えば、整えられていないベッドや、散らかったキッチンを同僚に見られる心配がない。
テレワークの急速な利用拡大に伴い、さまざまなWeb会議ツールの機能の違いがはっきりしてきた。例えばMicrosoft TeamsのエンドユーザーはMicrosoftに、Web会議画面に表示できる会議参加者の映像数を増やしてほしいと要望してきた。同社は要望に応えて、一度に最大9人分の映像を表示できるようにしたが、Cisco Webex Meetingsは最大25人分、Zoomは最大49人分の映像が表示可能だ。
MicrosoftはIT管理者に対して、会議に参加する外部ゲストをきめ細かく管理できるようにする措置を講じつつある。これはZoom Video Communicationsが「Zoombombing」を防ごうとセキュリティ設定を変更したことに続く動きだ。Zoombombingは、招待されていないエンドユーザーがZoomでの会議に乱入し、迷惑行為を働くことを指す。こうした行為が多数発生し、問題になっていた。
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