医療機関クラウド移行のメリットとデメリット【後編】
医療機関が「クラウドサービス」への移行時に留意すべき3つのデメリット
クラウドサービスは医療機関にさまざまなメリットをもたらすが、考慮すべき課題もある。医療機関がクラウドサービスへのシステム移行時に陥りやすい3つの課題を解説する。
病院やクリニックなどの医療機関のシステムをクラウドサービスに移行させれば、物理的な設備の所有や運用管理の手間から開放される。クラウドサービス市場の活況によって、費用対効果の高いものや、先進的な技術が利用できるものなど、利用すべき価値のあるサービスが次々に登場しており、検討すべき理由は幾つもある。
ただしクラウドサービスへの移行に伴うメリットを確認した後には、デメリットについても検討しなければならない。クラウドサービスへの移行のメリットを解説した前編「いまさら聞けない、医療機関が『クラウドサービス』に移行する4つのメリット」に続く後編となる本稿は、クラウドサービスへの移行に際して医療機関が留意しなければならない課題やデメリットを幾つか紹介する。
デメリット1.利用料金の見積もりが難しい
クラウドサービスは通常、従量課金制を採用しており、リソースの使用量に基づいて利用料金が決まる。ストレージであれ、サーバであれ、仮想アプライアンスであれ、請求書は月単位で届くため分かりにくい場合がある。そのためIT担当者は「何に対して利用料金を支払っているのか」「どのようなことが起きているか」を理解するのが難しい。請求書には毎月異なる利用料金が載っているのが一般的だ。「データの転送量が多い」「新たに導入したサービスに対して、いつもと違う請求方法が適用された」など、さまざまな理由で通常よりも利用料金が高くなる月もある。
デメリット2.クラウドサービスの変化に追随しなければならない
クラウドベンダーを選び、医療機関のITインフラをクラウドサービスに移行させる場合に直面するもう一つの課題が、IT担当者や開発者にトレーニングの機会を用意して、管理スキルを維持することだ。クラウドサービスの内容や要素技術は時間の経過とともに変化するため、クラウドサービスの管理には継続的なトレーニングが必要になる。
デメリット3.セキュリティ対策はクラウドベンダーに“丸投げ”できない
前編で説明した通りクラウドベンダーは、クラウドサービスを運用する自社インフラのセキュリティを高める工夫を凝らしており、そのためにかなりの投資をしている。ただしクラウドサービス利用時のセキュリティ対策については、ユーザー企業との間で責任を分担する「責任共有モデル」を採用していることが一般的だ。主要なクラウドベンダーは、ユーザー企業が利用可能な基本的なセキュリティ機能を用意している。
2020年には、自施設のIT環境をモダナイゼーション(近代化)する方法を模索してクラウドサービスに移行する医療機関が増えるだろう。クラウドベンダーが提供する各種サービスのメリットを利用するためだ。だからこそ最高情報責任者(CIO)とIT部門のリーダーは、クラウドサービスへの移行時に直面するリスクや問題点に対処するために適切な事前計画を立てる必要がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
2
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
5
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
6
「即戦力」は幻想? 中途の3割が消えるAI時代のエンジニア生存戦略
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
AIエージェントで成果は出る? 調査結果に見る費用対効果の実態
-
9
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
10
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー