「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」公開 医療のクラウド利用は加速するかNEWS

キヤノンITソリューションズ、NECなど、医療情報システムベンダー4社が共同で「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」を作成し、2018年7月をめどに提供開始する。医療業界のクラウド活用の追い風となるか。

2018年07月02日 05時00分 公開
[上田 奈々絵TechTargetジャパン]

 キヤノンITソリューションズ、NEC、日立システムズ、フィラーシステムズの4社は2018年6月19日、「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」を作成し、2018年7月をめどに無償提供すると発表した。同リファレンスは、Amazon Web Services(AWS)で医療情報を取り扱う際に参照すべき「3省4ガイドライン」(総務省、厚生労働省、経済産業省の3省が定めた医療情報の取り扱いに関する4つのガイドライン)に記載されたセキュリティ対策や安全管理を適用するための考え方や関連情報をまとめた文書。第一弾として、経済産業省発行の「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」の要求事項について解説したリファレンスを2018年7月に提供する予定。その他のガイドラインに対するリファレンスも、年内をめどに順次提供予定。

 医療情報の電子化においては、長年にわたりIT専門家の不足やシステム投資負担が課題となっていた。そのため、運用管理の負荷軽減やシステムコストの最適化を見込めるクラウドサービスへの期待が高まっていた。しかし、パブリッククラウドなどの外部環境に医療情報を保存する場合、医療情報システム、サービスを提供する事業者(システム開発会社やデータセンター、クラウドベンダーなど)や、医療情報を扱う機関の責任者は、3省4ガイドラインの対応項目を満たす必要があった。ある医療機器メーカーが医用画像をAWSに外部保存するサービスを展開しようとしたケースでは、3省4ガイドラインの要求事項(約200項目)に対する解釈やエビデンス(根拠)の収集、AWSのシステム仕様の確認と対応策の検討などで1年近くかかったという。

リファレンスの内容は

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