遠隔診断などにも活用できる医用画像管理システム(PACS)。診療報酬の改定を追い風として、現在その導入が増えている。医療のIT用語を解説する連載の第2回はPACSを取り上げる。
2008年の診療報酬改定で新設された「電子画像管理加算」。医療機関のフィルムレス化を推進するきっかけとなり、電子化された画像データを管理するPACSの普及が進んでいる。本稿では、自ら画像ビュワーなどの開発を手掛けている八上全弘氏が、PACSの定義やその導入メリット、今後のシステム像などを紹介する(編集部)。
PACSとは「Picture Archiving and Communication System」の略で、CTやMRI、レントゲンなどの各種画像診断用の撮像装置(モダリティー)で撮影された画像を電子化してデータベースに保存し、必要なときに参照できるように管理するシステムを指す。
医療の高度化や撮像装置の性能向上によって、画像検査の件数や検査ごとの画像枚数が増加している。フィルムを用いていると、その保管スペースと運搬、管理などの手間が膨大なものになってしまう。その解決策として、以前から医用画像の電子化が切望されてきたが、コンピュータの性能やネットワーク速度の向上などITの進化によってようやく実現し、急速に普及している。
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