コロナ禍での業務効率化にも貢献
運輸会社が次世代RPA「IPA」で業務自動化 通関担当が20人から3人以下へ
「RPA」にAI技術を組み合わせた「IPA」により、運輸会社のPolaris Transportation Groupは従業員の作業負荷を軽減し、従業員をドキュメント処理からカスタマーサービスにシフトさせている。同社の取り組みを追う。
運輸業界では従業員が常に事務処理に追われている。Polaris Transportation Groupの最高技術責任者、デビッド・ブライコビッチ氏によると、他の業種と比較して運輸業は、ドキュメントを大量に処理する必要がある。
数年前、カナダと米国の越境運輸業務を営むPolarisは、多様な顧客が送ってくるさまざまな種類のドキュメントを取り込むのに苦労していた。同社はOCR(光学式文字認識)ツールを使用してドキュメントを解析したが、認識精度は高くなかった。ブライコビッチ氏によると、OCRツールを適切に機能させるには、多くの手動入力と微調整が必要だった。
次世代RPA「IPA」で作業を効率化
Polarisの幹部は、運輸業界ではまだ広く使用されていない「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)の一種である「IPA」(インテリジェントプロセスオートメーション)を使用して、ドキュメントをより迅速かつ安価にデータ化できるようにした。同社はIPAベンダーWorkFusionのツールを使用することを決定した。
WorkFusionが主催するオンラインイベントの中で、ブライコビッチ氏はPolarisのデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みを詳述した。「顧客と従業員の満足度を全般的に改善したかった」と同氏は言う。
通関や注文管理のワークフローなど、Polarisは特定作業の自動化を念頭に置いていた。OCRツールの認識精度が低いため、ワークフローにはかなりの手入力が必要であり、従業員の時間を浪費していた。
Polarisは、WorkFusionに加えて社内のRPAツールや機械学習技術を使用して、通関書類のワークフローの約80%を自動化した。現在、100種類以上のソフトウェアロボットがフロントエンドとバックエンドで作業している。人手による介入が大幅に削減されたため、Polarisは一部の従業員を単純なドキュメント処理からカスタマーサービス業務に異動させた。
ブライコビッチ氏によると、Polarisでは約22人が通関プロセスに関わっていた。現在はせいぜい2人半から3人で、例外のみを管理している。RPAツールと機械学習技術により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生時に従業員を素早くテレワークに切り替えさせることができた。ソフトウェアロボットが機能し続けているので「滞りなく業務を遂行できている」と同氏は説明する。
パンデミック時の自動化
PolarisはCOVID-19が拡大する最中にテレワークに移行できたが、自動化に取り組んでいない企業の間では移行がそこまで進んでいない。COVID-19はさまざまな企業に自動化を促した。今回のイベントに参加した調査会社Forrester Researchのアナリスト、クレイグ・ル・クレア氏は「DXに向けた取り組みの中で、自動化を推進してきた企業は数多くある」と述べる。
COVID-19のパンデミック(世界的大流行)による景気後退が、近い将来に技術への支出を減らす可能性がある。それでも企業は従業員のワークフロー効率化に取り組むために、自動化ツールを購入または構築することを余儀なくされている。パンデミックにより従業員を解雇し、ワークフローに穴を空けている企業は少なくない。ル・クレア氏は、自動化がこれらのギャップを埋めるのに役立つと指摘する。
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