新型コロナ禍のデジタルマーケター生き残り術【後編】
マーケティング予算削減の危機 「MarTech」でどう乗り越える?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響でマーケティング予算が削られれば、MarTechへの新規投資は難しくなる。難局を乗り切る現実的な策とは。
Gartnerのアナリストを務めるコリン・リード氏によると、今日の企業のマーケティング予算は収入の10%程度で、「MarTech」(マーケティングテクノロジー)に割り当てられる予算はそのさらに26%程度だ。
活用し切れていないMarTech
一般に、マーケティング予算の削減はまず広告費のカットから始まり、次に外部委託費、その後に社内費用に及ぶとリード氏は説明する。企業がマーケティング予算を削減するときは技術購入費も削る傾向があり、MarTechへの投資も減らすことになる。キャンペーンの数や規模も縮小し、それを実施するためのクラウド技術予算も削減する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行がもたらした世界経済の停滞は長期化しており、マーケティング予算の引き締めは厳しくなるだろう。少ないマーケティング技術予算で乗り切る方策の一つは、購入済みの技術を有効活用することだ。
2018年のGartnerの調査では、MarTechを十分に活用していると答えたマーケターは61%だった。2019年にはさらに低下して58%だ。この数字が示すように「残りのマーケティング予算をもっと効率良く活用する余地がある」とリード氏は指摘する。
企業は一般的に、特定の用途のためにMarTechを導入するためか、豊富な機能を他の用途にも活用できることを見過ごしがちだ。例えば分析機能や高度なセグメンテーション、パーソナライズされたターゲティングメッセージコンテンツなどを他のツールと連携させて利用できる。
AdobeやSalesforce(Salesforce.com)など大手が提供する高度なクラウドサービスで未活用の機能があるのなら、それらを応用することで限られた技術予算でも売り上げの向上が可能になる。これらのクラウドサービスは多彩な機能が豊富にそろっており、ベンダーのカスタマーサクセスチームの支援を受ければ迅速に活用を始められるとリード氏は指摘する。「クライアント各社は必要なものを随時導入しているが、それらを最大限に活用する余地がまだずいぶん残っている」(同氏)
新型コロナウイルス感染症の流行前は、マーケティングプランの期間は6カ月から1年が一般的だった。Gartnerの調査によると、経済状況と顧客ニーズの絶え間ない変化に伴い、マーケティングプランの期間も変わり始めているという。
キャンペーン効果の測定間隔は短くなり、企業はMarTechの販売促進効果をより綿密に確認するようになるとリード氏は予想する。効果の低いキャンペーンは早期に切り上げることになる。新型コロナウイルス感染症流行下の経済状況では、マーケティングチームも、関連する開発チームも、一層の俊敏性を追求せざるを得ない。「以前なら3カ月かけていたような取り組みも2週間の短期決戦になっていくだろう」と同氏は語る。
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