プログラミングを変えた「Java」の歴史【前編】
「Java」はなぜ人気言語になったのか? 成功の歴史を振り返る
新しいプログラミング言語が生まれ続ける中、いまだに広く使われているのが「Java」だ。Javaはどのようにして人気を集めるようになったのか。登場から現在までの変化を整理する。
プログラミング言語および開発・実行環境「Java」は、アプリケーション開発手段の中で重要な位置を占めている。Javaがその地位を獲得するまでには幾つもの変遷の歴史があった。
Javaの正式版が誕生したのは1996年だ。当時はデータと処理内容をまとめた「オブジェクト」を中核要素とする「オブジェクト指向」のプログラミング手段といえば「Smalltalk」や「C++」が主流であり、それ以外は不要だと言ってもおかしくない時代だった。
現在、Javaは業務アプリケーション開発の中核的な手段としてゆるぎない地位を獲得し、世界中の開発者が使うようになっている。これまでのJavaの歴史を振り返ってみよう。
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「Netscape Navigator」がもたらした幸運
業務アプリケーション開発を目的としたJavaの仕様群「Java Platform, Enterprise Edition」(Java EE)は、企業情報システムの歴史の重要な転機に登場した。Sun MicrosystemsがJava EEの前身である「Java 2 Platform, Enterprise Edition」(J2EE)のバージョン1.2(J2EE 1.2)正式版を提供したのは1999年のことだ。J2EEの登場は、Webアプリケーションに対する企業の考え方や姿勢を変える契機になった。
当時はまだWebアプリケーションの活用は進んでおらず、企業も関連する戦略を立てていなかった。初の商用Webブラウザ「Netscape Navigator」がJavaを利用可能にしたことで、Javaは早々に有名になった。この幸運により、Javaはアプリケーション開発の世界で地位を獲得し、人気を集め始める。
Javaの人気の高まりを受け、Sun Microsystemsは従来の業務アプリケーション開発向けにJavaを拡張した。同社によるJ2EEの提供と、アプリケーションサーバの台頭という2つの出来事がJavaの普及を後押しした。こうして企業が求めるセキュリティとスケーラビリティ(拡張性)、信頼性の要件を満たす業務アプリケーション開発手段として、Javaを活用する動きが広がった。
「Java EE」「OSS化」が進化を加速
2001年にSun MicrosystemsがリリースしたJ2EEのバージョン1.3(J2EE 1.3)は、「Write once, run anywhere」(一度書いたらどこでも動く)というJavaの精神にのっとり、さまざまなJ2EE準拠のアプリケーションサーバ間の移植を可能にした。ただし、その浸透までにはしばらく時間がかかった。
ようやく多少の足掛かりを得たのは、J2EEの後継である「Java Platform, Enterprise Edition」のバージョン5(Java EE 5)やバージョン6(Java EE 6)が登場した頃だ。さまざまな企業が、それぞれのシステムやインフラで使用できるものを選んでJavaの要素を導入するようになっていった。
Sun Microsystemsは2006年11月、オープンソースソフトウェア(OSS)ライセンスである「GNU General Public License, version 2」(GPLv2)に基づくJavaのOSS版を公開した。これはJavaの歴史において、コミュニティー指向の共同開発手段への重大な一歩となった。このプロセスには難題もあったが、業務アプリケーション開発手段としてのJavaに新しい命を吹き込んだ。それまでは競争相手だった会社もJavaの共同開発者になったからだ。
後編は、業務アプリケーション開発に影響を与えたJava EEの要素3つを紹介する。
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