営業職からジャーナリストまでキャリアはさまざま
Java学習者が「Javaエンジニア」の道を選ばない“納得の事情”
「Java」を学んだ人でも、必ず開発職になる必要はない。有識者の経験談を交えながら、Java学習者が選び得るさまざまな進路の可能性を紹介する。
プログラミング言語および開発・実行環境「Java」分野のキャリアを歩むことには、さまざまな魅力がある。エンジニアには引き続き需要があり、長期的な雇用の見通しは明るい。安定した大企業に職がある。中でもJavaアプリケーション開発のキャリアパスには、長期的に安定した将来が約束されていると言える。
開発職以外から始まるキャリア
Javaエンジニアの年収は全般的に低くはない。Javaを取り巻く技術は移り変わりが激しく、アプリケーションを継続的に保守・修正する業務が発生するため、業務は途絶えない。こうした魅力の陰に隠れがちだが、Javaアプリケーション開発のスキルを体得することにはさらなる利点がある。それは「プログラミング以外の世界にも可能性が広がること」だ。
私がIT分野で最初に担当した業務は、開発ではなく教育だった。私は講師としてJavaプログラミング分野に関するキャリアを始め、独学で身に付けたJavaプログラミングの知識をIT専門学校で教えていた。受け持っていた分野はソフトウェア開発だ。教え子は優れたコーディングスキルを身につけて卒業した。ところがエンジニアの職に就いた卒業生は半数以下だった。
優秀な教え子の一部は営業職に就いた。ソフトウェア開発の知識があり、技術や市場トレンドにも明るい人材であれば、ソフトウェアセールスの道を選ぶことができる。組織マネジメント能力の高いエンジニアは、開発以外の業務にやりがいを見いだすこともある。
小規模な開発を繰り返す「アジャイル」型の開発プロジェクトには、開発チームの活動に対する責任者「スクラムマスター」と、開発物に対する責任者「プロダクトオーナー」という2つの役割がある。これらの役割に就く人にはプログラミングの経験は必要ないが、一般的にはソースコードの書き方を知っている方が適している。
エンジニアは、目的の実現に必要な作業量を多めに見積もりがちだ。一方クライアントは、技術的に見て非現実的な要求をエンジニアに突き付けることがある。開発に関する知識がないとこうした問題を指摘することができない。ソースコードの書き方を知っていたり、開発経験があったりするスクラムマスターやビジネスオーナーであれば、おかしいところを自信を持って指摘できる。
開発職から始まる開発職以外のキャリア
卒業後にエンジニアに就いた教え子の半数以上は、就職から10年後にはエンジニア以外の職業に転身している。コーディングから始まるJavaエンジニアの一般的なキャリアパスはこうだ。初級エンジニアとしてキャリアを始め、上級エンジニアに昇格する。次にチームリーダーになり、アプリケーションの設計を担当するアーキテクト系の職務に進む。優秀なエンジニアは昇進して開発以外の業務をするようになり、最終的には管理職の道に進む。
クリエイティブな才能がある人には、グラフィックデザイン方面に進む道がある。独立する意欲のある人にとっては起業が選択肢となる。社交的で人と交流するのが得意なエンジニアは、技術の普及を担うエバンジェリストや広報職にやりがいを見いだせるだろう。テクニカルライター(仕様書など技術文書を専門とするライター)やITジャーナリストもエンジニアから転身しやすく、ソースコードを書く必要のない職業だ。
開発職のキャリアを積むことには数々の魅力がある。Javaエンジニアのキャリアパスにはソースコードを書く業務以外にも、興味深いさまざまな関連分野への可能性が広がっている。
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