「クラウドファイル共有」7選【第3回】
クラウドファイル共有「Egnyte」「FileCloud」とは オンプレミスからの接続も
「クラウドファイル共有」は、異なる場所で作業をする人同士のコラボレーションを支援するためにさまざまな機能を搭載する。代表的なサービスである「Egnyte」「FileCloud」で何かできるのか、詳細に見てみよう。
クラウドサービス形式のファイル共有ツール(以下、クラウドファイル共有)は、安全かつ効率的なファイルのやりとりを可能にする。第1回「AWSとオンプレミス間でファイルを同期できる『AWS Storage Gateway』とは」と第2回「『Box』と『Dropbox』を比較 2大ファイル共有サービスは何が違う?」の2回にわたり、主要なクラウドファイル共有7種のうち3種を紹介した。第3回となる本稿は、残る4種のうち2種を紹介する。
Egnyte
クラウドファイル共有の「Egnyte」は、ファイル共有とコラボレーション、コンプライアンスのサポート、セキュリティ対策などの機能を提供する。他のクラウドファイル共有と同様、VPN(仮想プライベートクラウド)を使わなくても、さまざまなデバイスからファイルに安全にアクセスできる。
Egnyteは、複数のクラウドインフラを組み合わせたマルチクラウドにおけるファイルの統合管理ツールとして利用できる。クラウドファイル共有として特徴的なのは、下記の機能だ。
- データの階層的な保護を実現するアクセス制御機能やポリシー設定機能
- 多要素認証(MFA)を使ったユーザー認証機能
- オフィススイート「Google Workspace」やビジネスチャットツールの「Microsoft Teams」「Slack」などとの連携機能
- 複数ユーザーで作業する場合には特に重要になるファイルのバージョン管理機能
エンドユーザーに役立つ機能だけでなく、Egnyteは
- 一貫したセキュリティポリシーの設定やデータガバナンスの統制
- 自動化を取り入れたコンプライアンス機能やセキュリティ対策
- ロールベースのアクセス制御
など、運用管理面で役立つ機能も搭載している。機械学習などのAI(人工知能)技術を使用し、予測分析を運用管理やデータ保護に役立てる機能も提供する。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して、Egnyteの機能やファイルを制御することもできる。
FileCloud
「FileCloud」はファイル共有と同期、バックアップ、ファイルへのリモートアクセスなどを必要とする企業向けのクラウドファイル共有だ。FileCloudには「FileCloud Online」と「FileCloud Server」という2つの利用形態がある。
マネージドサービスのFileCloud Onlineは、FileCloudの提供ベンダーであるCodeLathe Technologiesがサービスをホストする。「Box」や「Dropbox」と同様に容易に利用開始できる。データの保管場所に関する要件がある企業、つまりどこでデータを保管するかが問題になる企業のために、データの保管場所の選択肢を提供している。ユーザー企業は米国やカナダ、EU(欧州連合)、オーストラリア、アジアからデータセンターを選択できる。米国政府との事業を展開する企業に対しては「FileCloud on AWS GovCloud」という専用のサービスも用意している。
FileCloud Serverは、ユーザー企業がオンプレミスのサーバやストレージでサービスをホストする利用形態だ。データをオンプレミスのインフラに保持したい企業に向いている。リモートアクセスやファイル共有・同期などの基本的な機能は、FileCloud Onlineと変わらない。
セキュリティ対策に関して多様な選択肢を用意していることがFileCloudの特徴だ。例えば下記のような対策がある。
- 暗号化プロトコル「AES」(Advanced Encryption Standard)の利用(暗号鍵長256bit)
- 暗号化プロトコル「SSL」(Secure Sockets Layer)/「TLS」(Transport Layer Security)の利用
- 二要素認証
- マルウェアスキャン
- データ漏えい防止
FileCloudは他にも下記のような主要な機能がある。
- エンドユーザー同士が共同で作業をするためのコラボレーションスペース
- 「Windows」「macOS」「Linux」など各種OS搭載デバイス内のフォルダの自動バックアップと、ID・アクセス管理サービス「Azure Active Directory」(Azure AD)による制御
- 「Microsoft Office」との連携。エンドユーザーは自身のWebブラウザでのMicrosoft Officeファイルの編集が可能
管理者はFileCloudの管理用ダッシュボードで、ファイルの利用頻度や利用場所など、エンドユーザーの利用傾向を把握するための指標を確認できる。他にも運用管理に役立つ機能としては、ポリシーベースの管理やワークフローの自動化、API連携、サードパーティーツールとの連携といった機能がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー