クラウドサービス形式のファイル共有ツール(以下、クラウドファイル共有)のうち、主要なサービス7種を紹介する本連載。前編「AWSとオンプレミス間でファイルを同期できる『AWS Storage Gateway』とは」に続く本稿は、残る6サービスのうち2種を紹介する。
「Box」はコラボレーションの促進やワークフローの簡略化、セキュリティ強化に重点を置くクラウドファイル共有だ。Boxは、企業向けの基本的な機能を提供する「Business」、より高度な機能を提供する「Enterprise」など複数のプランがある。
BoxのBusinessは、下記のような基本機能を提供する。
「Business Plus」はBusinessの機能に加え、エンドユーザーのアクセス制御やファイルの共同編集、共有などにおいて、より高度な機能を提供する。
Enterpriseは、BusinessとBusiness Plusの機能に加え、下記のような機能を利用できる。
「Dropbox」もクラウドファイル共有としてさまざまな機能を提供する。下記のような特徴がある。
企業向けのクラウドファイル共有としてDropboxが提供するのが「Dropbox Business」だ。Dropbox Businessは、データを分散させて保存するアーキテクチャによって、スケーラビリティ(拡張性)と信頼性を実現している。
Dropboxは、ファイルを「ブロック」(ある一定の長さのデータ)に分割してから各ブロックを暗号化し、分散させて保管する仕組みとして「ブロックサーバ」という機能を採用している。ブロックサーバは、保管するファイルのうち変更があったブロックのみを転送することで、ファイル同期を効率化している。ブロックサーバによって分割されたデータは、Dropboxの「ブロックストレージサーバ」に保管される。ブロックストレージサーバからデータを取得する際は、ハッシュ値(元のデータから一定の計算によって求められる値)を参照する。
こうした仕組みを採用したストレージシステムを、Dropboxは「Magic Pocket」と呼んでいる。Magic Pocketは、データの保存先として自社データセンターとAmazon Web Servicesのデータセンターを利用しており、地理的に離れた場所にブロックのコピーを保存することでデータの冗長性を確保する仕組みになっている。
効率的かつ信頼性の高いファイル管理に欠かせないのが、メタデータ(データの属性を表すデータ)管理だ。Dropboxは1時間ごとの増分バックアップと3日に1回の完全バックアップを実施している。メタデータは、米国にあるDropbox自身が管理するサーバに保存される。
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