クラウド認定資格を取ればコンピュータサイエンス学位は不要なのか?クラウドが変える学位と資格の評価【第1回】

クラウドサービスの導入が急速に進むとともに、コンピュータサイエンスの学位と、ベンダーや資格団体が認定する認定資格の評価が変化しつつある。その理由とは。

2021年02月23日 05時00分 公開
[George LawtonTechTarget]

 IT分野には「キャリアを成功させるには、コンピュータサイエンスの学位が必要か、認定資格があれば十分か」という論争がある。コンピュータサイエンスの学位はこれまで、意欲的なシステム開発者にとって重要な資格だった。今は必ずしもそうではない。IT人材市場で雇用主の間では、クラウドベンダーや資格団体が提供する認定資格の評価が上がっているのだ。クラウドサービスの普及が、こうした変化に拍車を掛けている。

時代に合わなくなったコンピュータサイエンス学位だが……

 クラウドサービスは、ソフトウェアとハードウェアを抽象化し、機能ごとに個別のサービスとして利用できるようにすることで、システムの全ての側面を理解する必要性を減らしている。そのため従来のコンピュータサイエンスのカリキュラムは、ユーザー企業のITの利用状況と合わなくなりつつある。

 「コンピュータサイエンスの学位を取得すれば、技術全体を広く理解できるようになる。一方で認定資格を取得すれば、選んだ分野で専門性を高められる」と、ITサポートを手掛けるGuardian Computerに勤務するチャールズ・アンドルーズ氏は語る。アンドルーズ氏はInternational Information Systems Security Certification Consortiumが認定する情報セキュリティ資格CISSP(Certified Information Systems Security Professional)を持つ。

 コンピュータサイエンスの学位か一連の認定資格を持っていれば、職を見つけるのに十分だ。両者の組み合わせにはもっと価値がある。学位は自身のコンピュータサイエンスに関する幅広い知識を持つことの証明になる。さらに認定資格の取得を目指すことでIT担当者は学習を続け、前に進むことができる。


 IT担当者のキャリア形成において、コンピュータサイエンスの学位と認定資格にはいずれも一長一短がある。次回からはコンピュータサイエンスの学位取得と認定資格の取得について、それぞれのメリットとデメリットを確認する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news164.jpg

都道府県別ライフスタイル調査 「推し活好き」「ラーメン好き」最多は?
明治安田総合研究所が公表した都道府県別「ライフスタイルに関するアンケート調査」の結...

news119.jpg

Metaの広告はますますAI中心に 新たなツール「最適化スコア」とは?
Metaの2025年ビジネス注力領域とAIを活用したツールをはじめとした広告ソリューションの...

news045.jpg

マーケターの仕事はなくなる? AIが変えるソーシャルメディアの未来【後編】
AIが変えるソーシャルメディアの未来について5つの視点で考察。後編では「創作の民主化」...