Amazon Web Servicesは生成AIアプリケーションの開発に利用できる「Amazon Bedrock」を提供している。同サービスの機能や用途を説明する。
Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Bedrock」は、クラウドサービスで生成AIアプリケーションを構築するための機械学習サービスだ。Amazon Bedrockは、ユーザーがAIアプリケーションを迅速に開発できるようにするために、さまざまな基盤モデル(FM)を利用可能にする。
基盤モデルは、さまざまな種類のタスクを実行するために大量のデータセットを使用して訓練された生成AIを指す。基盤モデルは多様な用途に利用できる。
Amazon Bedrockの競合製品は、OpenAIの「ChatGPT」や「Dall-E」などの生成AIサービスだ。AWSの機械学習サービス「Amazon SageMaker」と比較されることもある。Amazon SageMakerは主に、ユーザー企業の用途に合った機械学習モデルを構築して訓練するために使用できる。それに対してAmazon Bedrockは、生成AIアプリケーションの構築により特化したサービスだ。
ソフトウェア開発者はAmazon BedrockのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じて、AI21 Labsの「Jurassic-2 Mid」やAnthropicの「Claude」、Cohereの「Command」、Metaの「Llama」などの基盤モデルを利用できる。
サードパーティーベンダーが開発した生成AIに加えて、AWSは自社で開発した「Amazon Titan」も基盤モデルとして利用可能にしている。Amazon Bedrockで利用可能なAmazon Titanには、プロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)に応じてテキストを生成する「Amazon Titan Text」や、テキスト入力を数値表現に翻訳する「Amazon Titan Embeddings」が含まれる。
それぞれの生成AIは自然言語で入力されたプロンプトを理解し、その内容を基にテキストや画像などの形式で新しいデータを生成する。しかしエンドユーザーが追加設定をしたり指揮を執ったりしないと、複雑なタスクを実行できない。
生成AIで複雑なタスクを実行できるアプリケーションを構築できるようにするために、AWSはAmazon Bedrockのエージェントを提供している。開発者はこのエージェントを使い、自然言語で基盤モデルの設定やアプリケーション作成ができる。エージェントは、
といった機能を備える。
開発者はAmazon Bedrockを利用することで、以下のような用途のアプリケーションを構築できる。
Amazon Bedrockは2023年4月にプレビュー版が発表され、同年9月28日に正式提供が開始した。利用料金は基盤モデルや基盤モデルのカスタマイズの有無、利用方法などによって異なる。基盤モデルで推論を実行する場合は、2つの料金プランから選択できる。
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