AWSが東京リージョンと大阪リージョンに2.26兆円を投資する。これまでに日本市場でどのような動きがあったかを振り返る。
Amazon Web Services(AWS)は2024年1月19日(現地時間)、東京と大阪の既存のクラウドインフラに2027年までに2兆2600億円を投資すると発表した。日本市場におけるクラウドサービス需要の拡大に対処する計画、と同社は説明する。
2009年にAWSは日本に初めて進出し、2011年にAWSアジアパシフィック(東京)リージョン(以下、東京リージョン)を、2021年にAWSアジアパシフィック(大阪)リージョンを開設している。同社は2011年から2022年にかけて、AWSデータセンターの建設、接続、運用、保守に1兆5100億円を投資。今回の新規投資により、AWSが日本のクラウドインフラに投資した総額は約3兆7700億円となる。
日本市場においてAWSのサービスは幅広い業界に普及している。飲料大手のアサヒグループジャパン、通信大手のKDDI、金融大手の野村ホールディングスなどがその例だ。同社のユーザー企業は生産性の向上や顧客体験の改善、ビジネス成長を目指し、テキストや画像などを生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の活用を推進し始めている。
こうした生成AIの導入を支援するためAWSは2023年10月、同社の生成AIサービス「Amazon Bedrock」を東京リージョンで利用できるようにした。2023年7月には、AWSのクラウドインフラを活用して大規模言語モデル(LLM)を開発する企業を支援する「AWS LLM 開発支援プログラム」の応募受付を始めている。同プログラムは採択された企業に対して技術的な支援や、LLMを構築し、訓練するための費用を支援するものだ。
元デジタル担当大臣で現在は自民党のデジタル社会推進本部長を務める平井卓也氏は本発表に当たって「デジタル技術の活用は、各国の競争力の源泉となっている」とコメントを寄せる。平井氏は、日本の産業競争力を強化するためには、デジタル産業基盤を国内に整備、確保することが不可欠だと考えており、データセンターをはじめとするデジタルインフラを国内で整備することが重要だと指摘している。
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