Meta Platformsは自社が提供するSNSにおいて、生成AI画像へのラベル付けを開始する。その背景にあった人工知能技術を悪用した事件とは。
Meta Platforms(以下、Meta)は2024年2月6日(現地時間)、同社のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でユーザーが投稿する画像について、人工知能(AI)が生成した画像にラベル付けをすると発表した。「Facebook」「Instagram」「Threads」が対象になる。同社は、AI技術を活用して生成されたコンテンツであることを示す共通の技術標準を策定するために、他ベンダーとの協力を進めている。
Metaは以前から同社の画像生成AIツールで生成した画像に不可視マーカー(メタデータと不可視のウオーターマーク)を付与し、ラベル付けをしている。今後は他社の画像生成AIツールが付与したメタデータも識別できる共通基準とツールを開発し、Google、OpenAI、Microsoft、Adobe、Midjourney、ShutterstockなどのAI画像コンテンツにもラベルを付けられるようにするという。ラベル付けの機能は今後数カ月以内に、利用する国と言語を問わず、Facebook、Instagram、Threadsで利用できるようになる。
米国では2024年11月に大統領選挙や連邦議会選挙が控えている。メディア企業やIT企業は、“印象操作”のような選挙の情報工作に生成AIが使われる可能性を案じ、対抗策を講じている。
2024年1月には米国ニューハンプシャー州の予備選挙において、ジョー・バイデン大統領への投票を控えさせる目的のロボコール(注)が大量にかけられたという事件が発生した。音声はAI技術を活用して生成されたとみられ、バイデン大統領の声に似せてあった。MetaがAI画像コンテンツのラベル付け機能を拡充しているのも、こうした投票妨害事件への対抗策の一環だと考えられる。
※注:ロボットによる自動音声電話。詐欺や勧誘など悪質なものが目立つようになってきたことで欧米では社会問題となっている。
新製品・新サービスや調査結果、セキュリティインシデントなど、米国TechTargetが発信する世界のITニュースをタイムリーにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
LLMはビジネスに計り知れない恩恵をもたらす可能性を秘めているが、問題点の1つは、平気でうそをつくこと(ハルシネーション)だ。そこで、この問題を解決するために役立つ、RAGアプリケーションの作成方法を紹介する。
生成AIの登場によって、AIを業務活用しようとする企業が増えてきている。しかし、AIをどのような形で導入すればよいのか悩んでいる企業も少なくない。本資料では組織全体にAIと生成AIを組み込む方法について解説する。
労働力不足の解消や生産性の向上など、多くのメリットが見込める、職場へのAI導入。一方、LLM(大規模言語モデル)の学習データが枯渇する「2026年問題」が懸念されている点には注意が必要だ。それによる影響と、企業が取るべき対策とは?
現代のビジネス環境下で企業が成長を続けるには「イノベーション」の推進が不可欠だ。最新調査で明らかになった日本企業におけるイノベーションの現状を基に、イノベーション推進の鍵を握るAI活用やベロシティ向上の重要性を解説する。
今やビジネスを中心に、多様な場面でやりとりされているPDF。このPDFをより便利にするためには、文書の能動的な活用がポイントとなる。本資料では、アドビの生成AIを用いながら生産性や効率を飛躍的に向上させる活用方法を紹介する。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...