日刊紙を発行するThe New York TimesがOpenAIを著作権侵害で提訴したことに対し、OpenAIはブログで反論した。その主張はどのようなものなのか。
人工知能(AI)ベンダーOpenAIは2024年1月8日(現地時間)、日刊紙を発行するThe New York TimesがMicrosoftとOpenAIを著作権侵害で提訴した件に関する反論を公式ブログに掲載した。OpenAIの主張は、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングに記事を利用することはあくまでも「公正な利用」(フェアユース)に該当するというものだ。
The New York Timesは、OpenAIが同社のLLMのトレーニングにThe New York Timesの記事を膨大に利用していることを問題視している。これに対してOpenAIは、同社が報道機関とのパートナーシップを追求してきたことを説明しつつ、「Webで一般公開されている資料をLLMのトレーニングに利用することはフェアユースであり、その考え方は法学者や市民団体、スタートアップ(創業間もない企業)、クリエイターなど、米国著作権局(United States Copyright Office)にコメントを提出した人々の支持を得ている」と主張する。OpenAIは、同社のツールが報道機関の記事にアクセスすることを防ぐ「オプトアウト」(拒否)の手段を提供していることも公式ブログのエントリ(投稿)で説明している。
一方でThe New York Timesの主張に説得力があるポイントは、The New York Timesの有料購読モデルが成功していることだ。「こうした事情はOpenAIの『フェアユース論』を複雑にする」と調査会社Futurum Researchのアナリスト、マーク・ベキュー氏は言う。「The New York Timesの記事は著作権で保護されているだけでなく、有料コンテンツでもあるという点が重要だ。読者が同社のコンテンツにお金を支払っていることが、同社にとってはコンテンツを守る大きな動機になる」(べキュー氏)
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