AWSのAIチャットbot「Amazon Q」は、BIサービス「Amazon QuickSight」など複数の同社サービスに搭載される見通しだ。アナリストは、Amazon Qの可能性をどう評価しているのか。
AI(人工知能)ベンダーOpenAIがAIチャットbot(AI技術を活用したチャットbot)「ChatGPT」を公開したことを皮切りに、さまざまな業界でAI技術のビジネス活用が盛り上がりを見せている。そうした動きの一つが、テキストや画像などのデータを生成するAI技術「生成AI」を使って、エンドユーザーとの自然言語によるインタラクションを実現する試みだ。Amazon Web Services(AWS)は、AIチャットbot「Amazon Q」をBI(ビジネスインテリジェンス)サービス「Amazon QuickSight」などの同社サービスに組み込むことを計画している。
調査会社Constellation Researchでアナリストを務めるダグ・ヘンシェン氏は、Amazon Qをさらに成長させるチャンスは「Amazon Qのソースコードに対する理解能力を向上させること」だと指摘する。複数の分析ツールベンダーが、生成AIを取り入れる手段として自然言語に着目している。その一方で、データ管理ベンダーはLLM(大規模言語モデル)を使って自然言語をソースコードに翻訳する機能を開発してきた。DremioやMonte Carloといったベンダーの取り組みがその例だ。
「Amazon Qをデータだけではなく、テキストやコードも理解できるように進化させることは、さまざまな分野のエンドユーザーに利益をもたらし得る。Amazon Quicksightはその出発点の一つになる」(ヘンシェン氏)
調査会社Ventana Researchのアナリストであるデービッド・メニンガー氏は、AWSがさまざまな自社サービスにAmazon Qをどの程度組み込むことができるのかに興味を示す。AWSはAmazon Qを、Amazon Quicksight以外にもカスタマーサービスやサプライチェーン管理ツールなどに導入している。AWSが自社のサービス群にAmazon Qを効果的に組み込むことができれば、Amazon Qが他の生成AIを利用したチャットbotとの差別化に役立つ可能性がある。
「企業の事業運営において、異なる自然言語を通じて操作可能な共通のシステムを生成AIで実現できるとすれば、かなりエキサイティングだ。AWSにとって、生成AIをデータ分析だけに組み込む企業とは一線を画すことができる可能性を秘めている」とメニンガー氏は言う。
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