Amazon.comは2023年10月、広告用画像を自動生成できる生成AIツールを発表した。広告制作は具体的にどう変わるのか。Photoshopなど他ツールとの比較する際に注意すべきポイントとは。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)を、広告制作に活用する動きが広がっている。2023年10月、インターネット通販大手のAmazon.comの広告部門Amazon Adsは、生成AIツール「Amazon Ad Console」のβ版の提供を開始した。同社が運営する通販サイトの出品者向けに、画像生成サービスを提供するものだ。
通販サイト「Amazon.com」での出品者は、Amazon Ad Consoleを用いて、広告用の商品画像に適する背景画像を生成できる。例えばトースターを出品する場合、トースターと白い背景画像だけの広告ではなく、トースターの背景にキッチンカウンターや、クロワッサンが置かれた画像広告を制作できる。Amazon.comによると、背景画像を加えることでクリックスルー率(広告が表示された回数のうち、特定リンクがクリックされた割合)は最大40%向上し、広告の効果を高めることにつながるという。
近年、広告制作に活用できる生成AIツールが続々と登場している。例えば世界有数のEコマース企業eBayは2023年9月、出品時に商品写真から商品の説明文を自動生成できる機能を発表。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を手掛けるMeta Platformsは同年10月、広告の背景画像や商品説明分の自動生成機能を提供開始。動画共有サイト「YouTube」も同月、AI技術を活用した広告パッケージ「Spotlight Moments」を発表し、ハロウィーンなど季節のイベントや、スポーツの大会など、その時々のトレンドに合わせて広告を打ち出せるサービスを提供している。
調査会社Gartnerでアナリストを務めるエリック・シュミット氏は、生成AIを用いて広告を制作するメリットについて、コンテンツ制作にかかる時間を大幅に短縮できる点や、コンテンツを複数パターン生成できる点などを挙げる。一方で、Amazon.com以外のサイトに広告を掲載する広告主に対しては、Adobeの画像編集アプリケーション「Photoshop」の生成AI機能など、Amazon Ad Console以外のツールを使用した方がよいと指摘する。Amazon Ad Consoleで生成した画像は、Amazon.com以外で使用できないと考えられるためだ。
後編は、広告制作に生成AIを活用するメリットとリスクを解説する。
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