SNSマーケティングが面倒ではなくなる「生成AIツール」3選ビジネスに使える「生成AIツール」6選【後編】

企業がマーケティングにSNSを活用するのは一般的になった。一方でSNSの効果的な活用方法に悩む企業は少なくない。SNSマーケティングの成功に役立つ生成AIツール3つと、その特徴や課題を紹介する。

2023年11月09日 05時00分 公開
[Christine CampbellTechTarget]

関連キーワード

人工知能 | チャットbot


 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の強みである拡散力に注目し、マーケティングにSNSを活用する企業の動きが広がっている。一方で、コンテンツの作成や投稿の管理方法に頭を悩ませる企業は少なくない。こうした問題の解消に役立つのが、テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)ツールだ。SNSマーケティングに特化した生成AIツール3つの特徴を紹介する。

Rapidely

 マーケティング企業Deelee Consultingが提供する「Rapidely」は、SNSマーケティング向けのAIツールだ。SNS向けのコンテンツを生成する他、「Instagram」「LinkedIn」「TikTok」「Facebook」「X」(旧「Twitter」)など複数のSNSアカウントにおける投稿を一元的に管理するハブ機能も持つ。

 スライドショー作成用のテンプレートや、Instagramのリール(フルスクリーン縦長で30秒以内の短尺動画)で人気の音楽を提案する機能を搭載しており、ユーザーはこれらの機能を活用してコンテンツの反響率向上につなげることができる。

 ユーザーはRapidelyにキーワードを入力するだけで、複数のコンテンツを生成でき、その中から気に入ったものを選択して投稿できる。直感的なUI(ユーザーインタフェース)を採用しており、使いやすさがメリットだ。一方で投稿の内容が平凡過ぎるという意見や、人間の担当者による投稿を望む企業も存在する。

 Rapidelyのプランには「Creator」「Social Pro」「Enterprise」「Agency」の4つがあり、それぞれの月額はCreatorが29ドル、Social Proが69ドル、Enterpriseが89ドル、Agencyが129ドルだ。Enterprise以外のプランは無料トライアル期間を提供している。

Manychat

 マーケティング企業Manychatは、SNSマーケティング向けAIチャットbot「Manychat」を提供する。AIベンダーOpenAIの大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」をベースにしており、メッセージングアプリケーション「WhatsApp」「Messenger」やInstagramにおける顧客や見込み客とのメッセージのやりとりを自動化できる。

 例えば、顧客が何に関心があるかを質問したり、メールアドレスや電話番号を聞いたりする他、回答に基づいたプロモーション送信やフォローアップも自動で可能だ。収集した回答はデータベースに追加できる。

 自動化構築を支援するAIアシスタントやテンプレートを用意する他、ドラッグ&ドロップ型の直感的なUIを備えているため、技術的な知識や経験がないユーザーでも構築が可能だ。メール広告ツール「Mailchimp」やCRMツール「HubSpot」、表計算ツール「Google Sheets」(Google スプレッドシート)、自動化ツール「Zapier」との連携もできる。

 ユーザーはManychatを活用することで、顧客応対の迅速化だけでなく、問い合わせに対して一貫性のある回答を提供できるようになる。見込み客を獲得するためにかかるコストの削減も期待できる。一方で、メッセージテンプレートのカスタマイズができない他、製品のカスタマーサポートに改善が必要だといった意見が上がっている。

 Manychatには「Free」「Pro」「Premium」の3つのプランがある。価格はFreeが無料、Proが月額15ドル。Premiumの価格情報は、ベンダーのWebサイトでは公開されていない。

Flick

 SNSマーケティング企業Flick.Techが提供する「Flick」は、SNSマーケティング向けAIツールだ。投稿用コンテンツの作成や長文のコンテンツの要約機能を備える。ハッシュタグ(「#」から始まる分類用単語)の自動作成管理、分析機能も備え、投稿をより多くの人々に届ける施策にも役立てられる。

 投稿のスケジュール管理機能もある。複数のSNSにおける投稿スケジュールを一括で管理でき、ドラッグ&ドロップ型で直感的な操作が可能だ。

 一方で、モバイルアプリケーション向けの機能が限られている他、投稿の自動公開が機能しない時があるといった問題を指摘する声が上がっている。

 Flickには「Solo」「Pro」「Agency」の3つのプランがある。年間契約の場合の月額は、Soloは11ポンド、Proは24ポンド、Agencyは55ポンドだ。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 AvePoint Japan株式会社

生成AIの落とし穴、“過剰共有”のリスクと防止策

適切に生成AIを使いこなすために、情報には「共有範囲」を設定することが重要となるが、管理が不十分だと“過剰共有”の状況が発生する。過剰共有は社内での情報漏えいにつながる可能性もあるため、十分な対策が必要となる。

製品資料 東京エレクトロン デバイス株式会社

生成AI活用の鍵、セキュリティと利便性を両立するための方法とは?

生成AIの活用には機密情報漏えいなどのリスクがあるため、利用を制限しているケースもある。しかし、完全に利用を制限してしまうと競合に後れを取る可能性がある。そこで重要なのが、セキュリティと利便性を両立できるような環境構築だ。

市場調査・トレンド 日本オラクル株式会社

今後のAI活用はどう進化する? AIがビジネスにもたらす10の価値と活用例

昨今、多くの組織がAIエージェントや生成AIをビジネスに活用しつつある。今後はAIをどうビジネスに組み込んでいくかが、組織が飛躍するためのポイントになるだろう。そこで本資料では、AIがもたらす10のビジネス価値を解説する。

製品資料 株式会社Zendesk

FAQやチャットへのAI導入でカスタマーサービスを次世代化、CXはどれだけ高まる

顧客体験(CX)を向上させるための手段として、広く注目されつつあるAIだが、実際にFAQやチャット/チャットbotにAIを導入することで、CXはどれだけ高まるのか。次世代のカスタマーサービスの作り方と、そのメリットを探る。

製品資料 NECネッツエスアイ株式会社

Zoomの新機能はもう使っている? 動画で分かる「生成AI機能による資料作成」

営業資料や議事録といった資料作成において、生成AIへの期待が高まっている。中でも注目したいのがZoomの生成AI機能だ。会議データからの資料作成は、生成AI活用でどのように効率化されるのか。動画で紹介する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

SNSマーケティングが面倒ではなくなる「生成AIツール」3選:ビジネスに使える「生成AIツール」6選【後編】 - TechTargetジャパン エンタープライズAI 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。