企業における生成AIの活用は総じて道半ばだが、生成AIの活用を積極的に進めている業界もある。どの業界なのか。生成AIの活用例と併せて紹介する。
テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の企業における導入は順調に進んでいるとは言い難く、大半の企業は具体的な活用方法を模索している段階だ。一方で、既に生成AI導入を積極的に進めている業界もある。本稿は、特に生成AIの活用が盛んな2つの業界とそれぞれの事例を解説する。
ヘルスケア業界は、データ保護やセキュリティに関するリスクを警戒しつつも、生成AIの活用を積極的に進めている。医療業界向けソフトウェアベンダーのEnsemble Health Partnersは生成AI活用に取り組む企業の一つだ。同社は病院や診療所などの医療機関向けに、収益サイクルを管理するソフトウェアを提供しており、生成AI活用の効果を高めるための専門チームも設立している。
Ensemble Health Partnersの最高情報責任者(CIO)ピータ・シュウテン氏は、2023年9月に米国ボストンで開催された生成AIに関する国際会議「Generative AI World 2023」において、「生成AIや自動化技術を活用し、医療機関における業務改善に取り組む」と話している。特に医療費請求の正確性検証が生成AIの重要な用途だという。
マーケティングも生成AIの活用が進んでいる分野の一つだ。スタートアップのソフトウェアベンダーNicest.aiは、金融からEコマース(EC)まで幅広い業界向けにマーケティング支援サービスを提供している。具体的には、独自LLM(大規模言語モデル)をベースにした生成AIと、ユーザー企業が定義したパラメーターを用いて、ユーザー企業ごとにカスタマイズしたモジュール(小規模サービス群)を作成する。これにより、リード(見込み客)開拓や、顧客エンゲージメント(顧客との結び付き)強化を支援する。
Nicest.aiの共同設立者であるローレン・ベック氏は、同社のサービスについて次のように説明する。「当社のサービスはこれまで人間が担ってきた単調な作業を自動化する。その結果、従業員はより重要なタスクに集中できるようになり、生産性向上が期待できる」
後編は、生成AIの普及に必要な視点について解説する。
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適切に生成AIを使いこなすために、情報には「共有範囲」を設定することが重要となるが、管理が不十分だと“過剰共有”の状況が発生する。過剰共有は社内での情報漏えいにつながる可能性もあるため、十分な対策が必要となる。
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