複数のコラボレーションツールを併用している状態は、生産性の低下を引き起こす可能性がある。ツールの乱立状態を防ぎ、IT部門が適切に管理するための「4つのヒント」を紹介する。
社内のチームがそれぞれ異なるコラボレーションツールを導入している状態を放置していると、エンドユーザーはツールの使い分けや画面切り替えで認知疲労(認知機能の低下)を蓄積する恐れがある。生産性の低下につながりかねないこの問題に対処し、コラボレーションツールを適切に管理するにはどうすればいいのか。
クラウド型ユニファイドコミュニケーション(UC)ツールの導入は、ツールの管理負担を軽減し、IT部門がエンドユーザーのトラブルやセキュリティの問題に集中できるようにするためのアプローチだ。米TechTargetの調査部隊Enterprise Strategy Group(ESG)のシニアアナリストであるゲイブ・クヌス氏は、「エンドユーザーが優先的に利用すべきツールをIT部門が指定することがポイントだ」と説く。
IT部門は社内の各チームと協力し、まずは社内で利用中のコミュニケーションツール全てを把握することが欠かせない。「なぜそのチームはそのツールを採用したのか」「どのような機能が役に立つのか」などを見極めるべきだ。「そうすればツールの運用管理を合理化する効果的な戦略が見えてくる」とクヌス氏は述べる。
調査会社Metrigyでアナリストを務めるアーウィン・レザー氏は、例えば次のようにツールを使い分けることを提案する。
この他、会議の文字起こし機能や、Webカメラの自動フレーミング機能、音質改善機能のような、各コラボレーションツールが備えている人工知能(AI)技術を活用することも有益だという。
調査会社COMMfusionの主席アナリストであるブレア・プレザント氏は、特定のタスクや状況に適したツールを特定することの重要性を説く。それぞれのツールがどう機能するのかを理解することは、エンドユーザー自身が「今使用すべきツールはどれか」を判断するのに役立つ。プレザント氏は「最も効率的なコミュニケーションをするための研修をエンドユーザーに提供すべきだ」と主張する。
エンドユーザー自身が最適なツールを選べるようになるために、IT部門にはどのような支援ができるのか。基本的にはエンドユーザーの好みに帰着する、というのがプレザント氏の考えだ。まずはアンケートを実施して、どのツールが人気なのか、その理由は何なのかを確認しよう。それを基にベストプラクティスに関する情報を提供したり、操作説明の動画をすぐに利用できるようにしたりすれば、エンドユーザーはツールを使いやくなる。
コミュニケーションの幅広いニーズに応えられるベンダー1社に絞り、そのベンダーの製品やサービスだけを採用するようにすれば、ツールの乱立を防ぐことができる。例えばコミュニケーションツールはZoom Video Communicationsの製品に絞る、と決めるのは一つの方法だ。「共通のツール群に新機能をどんどん追加するベンダーであれば、他のベンダーの製品やサービスの調達に手間を掛ける必要はない」とプレザント氏は説明する。
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