激しい競争の中でスピードを重視する法律事務所がテレワーク移行で直面した問題が、テレワーク中の電話応対だった。この問題の救世主となったのが「UCaaS」だ。どのUCaaSを採用したのか。
英国の大手法律事務所Harrison Drury & Coは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、勤務形態をテレワークに切り替えた。テレワーク移行に伴い、事務弁護士(法廷での弁論以外の法律事務を取り扱う法律専門職)の間で既存のコミュニケーションツールへの不満が爆発したという。問題解決のために同事務所が導入したUCaaS(Unified Communications as a Service)とは。
Harrison Druryは英国ランカシャー州を主な活動拠点とし、大企業や個人事業主、個人富裕層を顧客に持つ法律事務所だ。営業用不動産や商業訴訟、財産訴訟、債務超過などを専門分野とする。
従来Harrison Druryの事務弁護士は、複数のアプリケーションに加え、音声通話機能やテレビ会議機能を利用していた。ITスタッフは事務弁護士から既存のコミュニケーションツールについての不満を寄せられ、その対処に時間を費やすことを余儀なくされていた。
Harrison Druryは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、半強制的にテレワークに切り替えた。テレワーク中の顧客への電話応対が複雑化したことで、既存のコミュニケーションツールに対する事務弁護士の不満が爆発した。
競合事務所との競争が激しい法律業界では、顧客との目まぐるしいやりとりに迅速に応対する必要がある。Harrison Druryが従来利用していたコミュニケーションツールでは、電話をかけてきた顧客のIDを迅速に把握することが難しかった。事務弁護士は必要な情報が手元に無い状態で電話を受けたり、転送したりしなければならなかった。
この状況を打開するため、Harrison Druryはコミュニケーションツールの販売や構築を手掛けるFortay Connectに協力してもらい、コミュニケーションツールへのニーズを再評価した。Fortay Connectの提案に基づきHarrison Druryが選んだコミュニケーションツールは、AvayaのUCaaS「Avaya Cloud Office by RingCentral」(以下、Avaya Cloud Office)だった。UCaaSは、クラウドサービス形式のユニファイドコミュニケーション(UC)システムだ。Avaya Cloud Officeは幅広いデバイスとの互換性や多様な機能を備える。
Avaya Cloud Officeの導入により、Harrison Druryの事務弁護士は顧客とコミュニケーションを取りやすくなった。同事務所の7カ所の拠点で働く130人の事務弁護士がAvaya Cloud Officeを利用している。
後編は、Harrison DruryがAvaya Cloud Officeの導入によって実現した成果を紹介する。
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