Zoomを使っていた“固定電話依存”の企業が「UCaaS」を導入した理由顧客コミュニケーションに「UCaaS」を生かす【前編】

ITスキル研修を手掛けるLearning Peopleは、パンデミックにおける顧客とのやりとりにUCaaS「Avaya Cloud Office」を利用している。「Zoom」を利用していた同社が、なぜUCaaSの導入を決断したのか。

2022年03月09日 10時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 コミュニケーションベンダーAvayaは、同社が提供するUCaaS(Unified Communications as a Service)群の導入事例を公開した。UCaaSは、クラウドサービス形式のユニファイドコミュニケーション(UC)システムだ。同社は教育サービスと物流サービスという二つの分野において、同社のUCaaSがビジネスのアジリティ(俊敏性)、順応性、拡張性の向上と作業負荷軽減の両立に貢献していると説明する。

Zoomがあるのに、なぜ「UCaaS」を導入したのか

 ITスキル研修を手掛けるLearning Peopleは、Avayaが提供するUCaaS「Avaya Cloud Office」を自社の長期的な成長のために活用している。同社は、3万5000人以上にキャリアカウンセリングとオンライン研修を提供しており、Avaya Cloud Officeの導入がこうした自社サービスの利用者と同社の従業員とのエンゲージメント(結び付き)を強化し、ビジネスの発展を支援すると期待している。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中でLearning Peopleは、在宅勤務などのテレワークの助けになるIT製品/サービスの導入に苦労していた。当時、同社が使用していたZoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」には、レポート機能や分析機能などLearning Peopleが求める機能が備わっていなかった。同社は、機能の豊富なUCaaSを必要としていた。

 Learning Peopleは、サービス利用者からの問い合わせを主にオフィスの固定電話で受けていた。パンデミックのさなかにあって、出社が難しい中で固定電話ばかりに頼ると事業の継続が難しく、非効率だと判断した。購買行動を通して得られる経験価値を重視する「エクスペリエンスエコノミー」(経験経済)の考え方が広がる中、同社のIT部門は「最も重要なことは『サービス利用者が、サービスの利用を通してどのような感情を持つか』ということだ」と認識した。

 こうした経験を通してLearning Peopleは、Avaya Cloud Officeの選定に至った。「現在のわれわれのニーズを満たし、将来拡張もできる手段として、Avaya Cloud Officeを選んだ」と、Learning Peopleのヘッドオブオペレーションであるアンディ・ウィンスタンレー氏は語る。

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