生成AIツールをマーケティングに活用する動きが広がっている。生成AIツールを活用することで、どのようなマーケティングが可能になるのか。「ChatGPT」を例にして紹介する。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」をマーケティングに活用する企業の動きが広がっている。マーケティング分野では、市場の開拓や情報発信の強化をはじめ、さまざまな業務に生成AIを役立てることができる。具体的にどのような活用例や生成AIツールがあるのか。まずはOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」で具体的に見てみよう。
企業はマーケティングに生成AIを活用することで、見込み客の評価やマーケティング手法の最適化、営業担当者へのコーチングといった業務を自動化できる。パーソナライズ化も生成AIの得意分野だ。閲覧者に合わせて表示内容を動的に変えるWebサイトの作成や、営業先の企業に合わせた販促資料の作成ができる。生成AIツールを活用する際は、プライバシー問題や法的責任、著作権侵害などのリスクを考慮する必要がある。
マーケティングへの活用に期待が寄せられる生成AIツールの一つがChatGPTだ。OpenAIが開発したLLM(大規模言語モデル)「GPT-3.5」をベースに据えたサービスで、検索エンジンに似たユーザーインタフェース(UI)を備え、ユーザーがプロンプト(情報を生成するための質問や指示)を送信すると回答を生成する仕組みとなっている。具体的には次のようなマーケティング関連業務に活用できる。
課題も幾つか存在する。ChatGPTのトレーニングに使われる学習データは2021年9月時点の情報に基づいているため、最新の情報を反映していない回答を生成する可能性がある。不正確な回答を生成する恐れがあるため、SEOキーワードの調査結果や、Webサイトの掲載コンテンツの品質に悪影響を及ぼす可能性がある。ChatGPTへのアクセスが集中してサーバに負荷が掛かることによるダウンタイム(システムの停止時間)の発生もしばしば報告されている。
上述の課題を軽減するのに役立つのが、有償版の「ChatGPT Plus」だ。ChatGPT Plusの価格はエンドユーザー1人当たり月額20ドルとなっている。ChatGPT PlusはLLMに、自然言語処理のレベルをGPT-3.5よりも高めたLLM「GPT-4」を採用している。無償版と同様、学習データは最新の情報を反映していないが、2022年1月時点の情報に更新されている。ChatGPTには、無償版とChatGPT Plusの他、法人向けの「ChatGPT Enterprise」(価格非公開)がある。
中編も、引き続きマーケティングに役立つ生成AIツールを紹介する。
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