「クラウドファイル共有」7選【第1回】
AWSとオンプレミス間でファイルを同期できる「AWS Storage Gateway」とは
同僚間でのファイルのやりとりや共同編集を可能にする「クラウドファイル共有」には、さまざまな種類がある。AWSが提供する「AWS Storage Gateway」の機能を詳しく見てみよう。
データ損失を防止しながら、同僚間でデータのやりとりを可能にする手段が、クラウドサービス形式のファイル共有ツール(以下、クラウドファイル共有)だ。異なる場所で働く従業員同士でも、クラウドファイル共有を使えば安全にデータを共有できる。クラウドファイル共有には下記のようなメリットがある。
- 大容量サイズのファイル共有
- クラウドストレージ(クラウドサービス形式のストレージシステム)への保存
- デバイス間でのファイル同期
- 場所を限定しないファイルへのアクセス
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行によって、企業の働き方は大きく変わっている。在宅勤務などのテレワークのポリシーを採用する企業や、クラウドサービスに保存するデータ量が大幅に増加している企業にとって、クラウドファイル共有は不可欠なツールだ。
クラウドファイル共有は「コラボレーション」「アクセス制御」「データ保護」を基本機能として提供する。差異化のポイントとしてベンダー各社が重視するのは「コンプライアンス面のサポート」「セキュリティ対策」「他のアプリケーションやサービスとのシームレスな連携」などだ。本連載は、クラウドファイル共有として代表的な7つのサービスの機能を紹介する。
AWS Storage Gateway
「AWS Storage Gateway」は、クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)のクラウドストレージとオンプレミスのストレージシステムを接続するためのゲートウェイ機能を提供する。クラウドサービスを使ったファイル共有の仕組みを、自前で構築したい企業に適したサービスだ。AWS Storage Gatewayには「File Gateway」(ファイルゲートウェイ)、「Volume Gateway」(ボリュームゲートウェイ)、「Tape Gateway」(テープゲートウェイ)という3つのゲートウェイ機能がある。
オンプレミスのファイルストレージ(ファイル単位でアクセスするストレージシステム)とAWSのクラウドストレージ「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)を接続する場合は、ファイルゲートウェイを使用する。AWS Storage Gatewayは、「NFS」(Network File System)や「SMB」(Server Message Block)などの基本的なファイルアクセスのプロトコルを使って、オンプレミスのインフラとAWS間でファイルを保存したり取得したりする。オンプレミスのインフラでは「KVM」「Hyper-V」「ESXi」などのハイパーバイザーによる仮想マシンでAWS Storage Gatewayを実行可能だ。
ファイルの保存先はAWS側ではAmazon S3であるため、他のAWSサービスで容易にファイルを利用できる。併用対象になるAWSサービスとして、
- ユーザー認証サービス「AWS Identity and Access Management」(IAM)
- 暗号鍵管理サービス「AWS Key Management Service」(KMS)
- リソース監視サービス「Amazon CloudWatch」
- ログ管理サービス「AWS CloudTrail」
- AWSのWebコンソール「AWS Management Console」
などがある。
AWS Storage Gatewayとは別に、Amazon S3の機能を利用することも可能だ。Amazon S3が持つ下記の機能を活用すれば、ファイル共有やファイル保管を最適化できる。
- ファイル保管のコスト効率を最適化する「ライフサイクル管理」
- 異なるAWSのリージョン(地域データセンター群)でデータをコピーする「クロスリージョンレプリケーション」
- ファイルのバージョン管理をする「バージョニング」
ファイルゲートウェイ以外のAWS Storage Gatewayの利用方法も簡単に説明しておこう。ボリュームゲートウェイは、ストレージ接続プロトコル「iSCSI」によって接続可能なAWSのボリューム(ストレージの記憶領域)を提供する。テープゲートウェイは、オンプレミスのテープライブラリの接続先としてクラウドストレージを指定できるようにすることで、クラウドサービスへのバックアップデータの保存を可能にする。接続先として指定可能なクラウドストレージには、アーカイブ用クラウドストレージの「Amazon S3 Glacier」や「AWS S3 Glacier Deep Archive」などがある。
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