「ハイブリッドワークプレース」実現へ
重電大手がコワーキングスペース1万人利用へ それでもオフィスを残す意味とは
オフィスを縮小し、コワーキングスペースを積極活用する重電大手Schneider Electric。同社が「ハイブリッドワークプレース」と呼ぶこの取り組みは、必ずしもオフィスの軽視を意味しないという。同社に真意を聞いた。
大手重電メーカーのSchneider Electricは、小規模のオフィスの賃貸契約を終わらせるとともに、コワーキングスペースへの従業員の配置転換を進めている。これは同社の「ハイブリッドワークプレース」実現への取り組みだ。同社が目指すハイブリッドワークプレースは、勤務時間の一部だけオフィスで働く従業員のために、規模を容易に変更できる柔軟な職場を用意することを指す。固定オフィスの面積を縮小するこの判断は、同社が進めるテレワークの継続や新たな雇用戦略といった経営方針を反映したものだ。
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Schneider Electricはコワーキングスペースを借りることで従業員同士がつながる「ハブ」を構築し、必要に応じて従業員が利用できるようにしている。この取り組みにおいて同社はUpflexと提携した。Upflexは民泊サービス「Airbnb」に似たアプローチでコワーキングスペース予約サービスを運用する企業だ。
「当社はハイブリッドワークプレースへの移行をさらに進める」とSchneider Electricの不動産担当ディレクター、カレン・マクレラン氏は説明する。最終的には同社に所属する約1万人の従業員がコワーキングスペースを利用する可能性がある。初期段階では約1000人の従業員が利用対象になる見込みだ。
それでもオフィスを残す“あの理由”
Schneider Electricは、従来の500人規模の賃貸オフィスを200席ほどのコワーキングスペースに移行させようとしている。ハイブリッドワークプレースの推進により、同社には従業員の出社スケジュールの管理という課題が生じる。日によってオフィスが混み合ったり、空席が目立ったりと、利用人数がばらつく状況は避けたい。そこで出社状況の管理に有用な従業員スケジュール管理ツールの導入を含む、オフィスの管理方法を検討している。
ハイブリッドワークプレースの考えを取り入れる場合、従業員の出勤日に関する意識改革も必要になるとマクレラン氏は指摘する。従業員は今後「自分の1週間の予定を予測して、何曜日にオフィスに行けば出社の目的がかなうのかを考える必要がある」(同氏)。
国際会計事務所・コンサルティング企業PricewaterhouseCoopers(PwC)は、2021年1月に発表したテレワーク関連調査レポート「US Remote Work Survey」で、ハイブリッドワークプレースの利用が「企業のオフィス面積に関する戦略に影響を与えている」と述べた。調査は米国企業の経営幹部133人を対象にしたもので、売上高が10億ドルを超える企業の経営者が回答者の83%を占める。
PwCの調査によると全回答者の87%が、12カ月以内に不動産戦略を変更する見込みだ。回答者10人のうち6人がオフィスを少なくとも1つの主要ビジネス街の拠点に集約することを見込んでいる一方、それに近い数の回答者が拠点を増やすと予想しているという。
Schneider Electricは、従業員が週に数日はオフィスで働くことを望んでいる。従業員がオフィスにいる意味は「協働の場にいる」とともに「つながりを作る」ことであり、「企業文化を理解してその一員になることでもある」とマクレラン氏は語る。
現在Schneider Electricは、ハブ拠点を置く都市の選定を進めている。この取り組みは、同社の採用戦略において重要な意味を持つという。「当社はこれらのハブ拠点から数マイル以内を中心に採用を進める」とマクレラン氏は説明する。このアプローチにより、同社は追加のオフィス開設費を中心にコストを節約できる。必要に応じたオフィスの増減も実施する。
前述の通りSchneider Electricは、Upflexが展開するコワーキングスペース予約サービスを利用する。Upflexのサービスを利用すれば、米国内で2100拠点を超えるコワーキングスペースを使うことができる。
Upflexは、企業が自社で物件を所有することも借りることもなく、コワーキングスペースを見つけて借りることを支援するサービスの提供に特化している。Upflexの共同創業者でCEOのクリストフ・ガルニエ氏は、デスク1人分から多くのデスクの利用まで、さまざまなニーズに応えるコワーキングスペース事業者約670社と提携していると説明する。
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