「RPA」の8大メリットと5大デメリット【第4回】
「RPA」を長く使うなら無視してはいけない“長期的なデメリット”とは
「RPA」は効率性の向上に寄与し、短期的には良い影響をもたらす。ただし長く使うほどにデメリットも顕在化する。主要なデメリットを整理する。
「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)は企業にメリットをもたらすが、もちろんデメリットもある。最高情報責任者(CIO)をはじめとするITリーダーは次の5つのようなRPAのデメリットを指摘する。第3回「『RPA』が社員や顧客のモチベーションを高める“これだけの理由”」に続く第4回となる本稿は、RPAのデメリットを解説する。
- 人員の自然減少
- 無秩序、無計画なソフトウェアロボット利用がもたらすリスク
- IT環境の複雑化
- ビジネスプロセスが内包する問題の拡大
- 変革の妨げ
RPAのデメリット1.人員の自然減少
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RPAは必ずしも人の労働者に取って替わるわけではないが、一部の業務ではその可能性はある。昔なら業務が増えたら労働者を新たに雇用しなければならなかった。RPA製品を使っている企業は、新たな業務が生じても内容によってはソフトウェアロボットを追加するだけで済むため、雇用の機会が減る可能性がある。
調査会社Analyst Syndicateでアナリストとコンサルタントを兼務するケン・ワイラースタイン氏は次のように指摘する。「ベンダーは単調で冗長な作業の削減につながる点をRPA製品のセールスポイントとして売り込んでいる。だが現実問題として、そのような作業に従事して収入を得ていた人の労働者は存在している」。つまりRPAによって削減される作業、人員、時間がある。これは「人の労働者にとっては死活問題で、企業にとっては世間の受け取り方が問題になる」(ワイラースタイン氏)。
RPAのデメリット2.無秩序、無計画なソフトウェアロボット利用がもたらすリスク
RPA製品を使う企業が、もっと多くの作業をこなすためにソフトウェアロボットを追加すると、維持管理が困難になり、コストもかさむ。適切なルールや計画を定めないままソフトウェアロボットを生み出し続けると、手に負えないような品ぞろえを生み出すことになりかねない。
このような現象は「技術を適切に管理しておらず、責任の所在を形式化していない状態でソフトウェアロボットを作成して、運用環境に投入している企業に起こり得る」と、コンサルティング会社ProtivitiでサプライチェーンソリューションズプラクティスのマネージングディレクターとRPAリードを務めるトニー・アベル氏は話す。アベル氏によると、このような状況を回避するには、効果的な管理とRPAのセンターオブエクセレンス(RPAの運用にたけた専門家集団)が欠かせない。
RPAのデメリット3.IT環境の複雑化
適切な文書化、管理、ガバナンスが伴わないまま、企業がRPA製品のソフトウェアロボットを生み出し続けると「ビジネスの成長にマイナスの影響を及ぼすほど複雑化した環境を生み出すことになる」とワイラースタイン氏は指摘する。RPAを導入することで企業は、変化するビジネスプロセスに適応しやすくなることは確かだ。ただし問題が発生した場合には、大量のソフトウェアロボットが散在する状況では、根本原因を特定するトラブルシューティングの作業が困難になる。
RPAのデメリット4.ビジネスプロセスが内包する問題の拡大
ビジネスプロセスを自動化する前に、プロセスを見直し、必要に応じて再設計や最適化をしないと「問題を含んだプロセスを自動化してしまうリスクを負うことになる」と専門家は口をそろえる。つまり元のプロセスに内在していた非効率や欠陥などの問題が拡大する。コストも増加するため、期待している投資対効果(ROI)は相殺され、新たなリスクが生じる恐れもある。
RPAのデメリット5.変革の妨げ
ITコンサルティング会社Saggezzaでプロセスコンサルタントとオートメーションパートナーシップのマネジャーを務めるケビン・マーテロン氏は「経営陣がRPAのことを、総合的な戦略の構成ツールではなく、局所で使う戦術的なツールと見なしていると、得られるメリットがさらに制限される」と指摘する。企業のリーダーがRPAに「デジタル化の支援」という役割を期待する場合は、自動化プロジェクトに重点を置いた戦略と計画を策定して、自動化プロジェクトを自社の重要な戦略的ビジョンにどう組み込むかを理解することが不可欠だ。
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