ソフトウェア開発だけじゃない「アジャイル」活用【前編】
ビジネスリーダーが「アジャイル」を生かす組織づくり 最初にすべきこととは?
マーケティング戦略の立案やCX向上などさまざまなビジネス活動に、アジャイルの考え方を生かすことができる。その推進役となるアジャイルチームを効果的に編成する方法とは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が企業に抜本的な変化を促している。テレワークの導入が広がり、コミュニケーションツールへの依存が急速に進んでいる。こうした状況は「アジャイル」という言葉に新たな意味をもたらしている。
アジャイルは、本来は迅速なシステム提供を目指すソフトウェア開発手法のことだ。企業のビジネスリーダーはアジャイルの考え方をビジネス活動にも転用できる。マーケティング戦略の立案やコンタクトセンターでのカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)向上などがその例だ。
ビジネス活動にアジャイルの考え方を適用する上で、重要なのがその推進役となる組織「アジャイルチーム」だ。アジャイルチームの編成方法を考えるに当たって、ビジネスリーダーはさまざまな慣習を見直すことになる。本稿はビジネスリーダー向けに、新たな職場でアジャイルチームを編成するヒントを5つ紹介する。
ヒント1.最初に目標を決める
編成するアジャイルチームが取り組むプロジェクトがどのようなものでも、ビジネスリーダーは最終目標を定めることから着手するとよい。決めることは「目標は何か」「その目標の実現にはどのようなスキルや技術、時間が必要か」だ。それらを決めて初めて、アジャイルチームの編成が可能になる。
アジャイルチームのメンバーのスキルは、顧客エンゲージメントに関する経験から、法的専門知識、ソフトウェア開発に至るまで多岐にわたる可能性がある。プロジェクトに厳しい時間的制約がある場合には、作業時間を延ばすために複数のタイムゾーンのメンバーでアジャイルチームを構成することが必要になることもある。
現在は場所を問わない働き方が広く受け入れられている。そのため他とは異なる時間帯での勤務を選ぶメンバーがいる可能性がある。さまざまなタイムゾーンのメンバーが、さまざまな時間帯に働くことが分かっているならば、全員が継続的に進捗(しんちょく)状況や最新情報を把握し続けるためのコミュニケーションツールが必要になる。
ヒント2.メンバーの意識を改める
アジャイルチームのメンバーの中には、アイデアを共有したり、助けを求めたりすることに尻込みする人がいる可能性がある。自分がアイデアを提案した際に他のメンバーが反対したらどうしよう、あるいは自分の手柄にならなかったらどうしようと考えたり、うまくやるには自分1人で対処しなければならないと抱え込んだりするメンバーもいると考えられる。「自分の手には負えない」と感じる仕事を抱えていても、「未熟に見えるのではないか」と不安に感じて助けを求めることができないメンバーもいるだろう。
堅固なアジャイルチームを築くために、ビジネスリーダーは基本原則を定める必要がある。変化は繰り返し起きる。目標に達するまでの道筋を緻密に計画することは不可能だ。そうしたことをメンバー全員が確実に認識し、変化を受け入れる必要がある。短い間隔で進捗状況を報告し、仕事を始める前に自分たちが自己中心的になっていないかどうかを確認しなければならない。
後編は、残る3つのヒントを紹介する。
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